HTMLのDOCTYPE（ドキュメントタイプ宣言）は、ウェブブラウザに対してHTML文書がどのバージョンのHTMLを使用しているかを指示するための宣言です。DOCTYPE宣言はHTML文書の最初に配置され、HTML文書の正しいパーシングとレンダリングを確実にするために重要です。
DOCTYPE宣言は、文書がHTML5、HTML 4.01、XHTML 1.0など、どのHTMLまたはXHTML標準に従っているかを示します。これにより、ブラウザは適切なレンダリングモードを選択し、文書を正しく表示することができます。
HTML5のDOCTYPE宣言
HTML5でのDOCTYPE宣言は非常にシンプルです：
<!DOCTYPE html>この宣言は、文書がHTML5を使用していることをブラウザに伝えます。HTML5のDOCTYPE宣言は以前のHTMLバージョンと比較して簡潔で、特定のDTD（Document Type Definition）を参照する必要がなくなりました。
HTML 4.01のDOCTYPE宣言
HTML 4.01では、DOCTYPE宣言は使用しているDTDに応じて異なります。以下はいくつかの例です：
Strict DTD（厳格なDTD）を使用する場合：
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/strict.dtd">Transitional DTD（過渡的なDTD）を使用する場合：
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/loose.dtd">Frameset DTD（フレームセットDTD）を使用する場合：
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Frameset//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/frameset.dtd">XHTMLのDOCTYPE宣言
XHTML文書では、DOCTYPE宣言がさらに重要で、XMLとしての文書の正確性も宣言します。例えば、XHTML 1.0 Strictを使用する場合の宣言は以下の通りです：
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Strict//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-strict.dtd">DOCTYPE宣言の重要性
- 互換性モード: DOCTYPE宣言がない場合、ブラウザは「クイークスモード」と呼ばれる互換モードで文書をレンダリングすることがあります。これにより、意図しないスタイルやレイアウトの問題が発生する可能性があります。
- 標準モード: 正しいDOCTYPE宣言を使用すると、ブラウザは「標準モード」で文書をレンダリングし、より一貫した見た目と挙動を提供します。
- 文書の検証: DOCTYPE宣言を含むHTML文書は、W3Cのバリデーターなどのツールを使用して検証することができます。
DOCTYPE宣言は、HTML文書の最初の行として配置され、他の要素やテキストより前に記述される必要があります。これにより、文書の残りの部分がどのように解釈されるべきかブラウザに指示されます。