SCP(Secure Copy Protocol)はファイルの安全な転送を行うためのプロトコルです。SSH(Secure Shell)プロトコルの上に構築されており、ネットワークを介してファイルを転送する際に通信内容の暗号化を行います。これにより、データの盗聴や改ざんを防ぐことができます。
SCPの主な特徴は以下の通りです:
- セキュリティ: SCPはSSHの認証メカニズムと暗号化機能を使用してファイルを転送するため、セキュアな転送が可能です。
- シンプルさ: SCPはコマンドラインベースのツールであり、シンプルなコマンドセットでファイルやディレクトリをリモートマシンとローカルマシン間で転送することができます。
- 対応OS: ほとんどのUnix系オペレーティングシステム(Linux, macOSなど)に標準で含まれており、Windowsでも第三者のアプリケーションを通じて利用することができます。
- レシーバーモード: SCPは、ファイル転送を受け取る側がサーバーとして動作し、送信側がクライアントとして動作する方式をとります。
SCPの使用例としては、以下のようなコマンドがあります:
scp [オプション] [ユーザー名@]ホスト名:ファイル名 [ローカルファイル名]
scp [オプション] [ローカルファイル名] [ユーザー名@]ホスト名:ファイル名
- 1つ目の例はリモートホストからローカルマシンにファイルをコピーするコマンド、2つ目の例はローカルマシンからリモートホストにファイルをコピーするコマンドです。
SCPは基本的にはファイル転送のみを目的としているため、ファイルの同期やディレクトリの巡回といったより複雑な操作には向いていません。そのような用途では、もう少し高度な機能を持つSFTP(SSH File Transfer Protocol)が使用されることが一般的です。