ポート番号は、ネットワーク上でコンピュータ間の通信を識別するために使われる数値です。インターネットプロトコル(IP)アドレスが通信を行っているデバイスの住所のようなものであるならば、ポート番号はそのデバイス内の「部屋の番号」のようなものと考えることができます。
ポート番号の役割:
- サービスやアプリケーションの識別: ポート番号によって、ネットワーク上で実行されている特定のサービスやアプリケーションが識別されます。
- 複数の通信セッション: 一つのIPアドレスを持つサーバーでも、異なるポート番号を使うことで複数の通信セッションを同時に処理できます。
- トラフィックのルーティング: サーバーはポート番号に基づいて入ってくるトラフィックを適切なプロセスやアプリケーションにルーティングします。
ポート番号の範囲:
- ウェルノウンポート: 0〜1023の範囲で、一般に知られているサービスやアプリケーションに割り当てられています。例えば、HTTPはポート80、HTTPSはポート443を使用します。
- 登録済みポート: 1024〜49151の範囲で、ユーザーが特定のサービスに割り当てるために使用します。一部は公式にサービスに割り当てられていますが、個人が自由に使用することもできます。
- ダイナミックまたはプライベートポート: 49152〜65535の範囲で、自動的に通信セッションに割り当てられる臨時のポート番号です。
一般的なポート番号とその用途:
- TCP / UDPポート20、21: FTP(File Transfer Protocol)用
- TCPポート22: SSH(Secure Shell)用、SFTP(SSH File Transfer Protocol)用
- TCP / UDPポート23: Telnet用
- TCPポート25: SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)用
- TCPポート53: DNS(Domain Name System)用
- TCPポート80: HTTP(Hypertext Transfer Protocol)用
- TCPポート110: POP3(Post Office Protocol version 3)用
- TCPポート143: IMAP(Internet Message Access Protocol)用
- TCPポート443: HTTPS(HTTP over SSL/TLS)用
- TCP / UDPポート445: Microsoftのファイル共有プロトコル(SMB / CIFS)用
- TCP / UDPポート3389: Microsoft Remote Desktop用
システムやアプリケーションによっては、これらの標準ポート以外にも特定のポート番号を使用することがあります。また、セキュリティ上の理由から、標準ポート番号を変更することもあります。ファイアウォールやルーターなどのネットワークデバイスは、ポート番号に基づいてトラフィックを制御することも多く、不正アクセスからシステムを保護するために重要な役割を果たしています。