SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)は、インターネット上で電子メールを送信するために使用されるプロトコルです。
SMTPはRFC 821によって初めて標準化され、その後、RFC 5321によって改訂されました。主にメールサーバー間やメールクライアントからメールサーバーへのメール送信に使用されます。
SMTPの主な機能と特徴
- メールの送信: SMTPはメールの送信用に最適化されており、メールクライアント(メール送信者)からメールサーバー、またはメールサーバーから別のメールサーバーへとメールを転送します。
- リレー: メールは通常、送信元から直接宛先へ送られるのではなく、一連のSMTPサーバーを経由してリレーされます。
- ストア・アンド・フォワード: SMTPサーバーはメールを一時的に保存し(ストア)、次のサーバーが利用可能になるとメールを転送します(フォワード)。
- ポート番号: SMTPは通常、TCPのポート25を使用しますが、セキュリティを強化したSMTP over TLS/SSLはポート465や587を使用することがあります。
SMTPのプロセス
- コネクションの確立: メールクライアントはSMTPサーバーに接続します。
- SMTPハンドシェイク: SMTPセッションは、HELO(またはEHLO)コマンドで始まります。クライアントは自身のドメイン名をサーバーに伝えます。
- メールの送信: MAIL FROMコマンドで送信者を、RCPT TOコマンドで受信者を指定します。
- データ転送: DATAコマンドの後にメールの本文とヘッダーが転送されます。
- セッションの終了: QUITコマンドでSMTPセッションを終了します。
SMTPと他のメールプロトコル
SMTPはメールの送信に特化していますが、メールの受信には通常、POP3(Post Office Protocol version 3)やIMAP(Internet Message Access Protocol)が使用されます。これらはメールサーバーからクライアントへのメールの取得と管理に最適化されています。
まとめ
SMTPはインターネット上で電子メールを転送するための基本的なプロトコルであり、メールサーバー間の通信やメールクライアントからの送信に広く利用されています。SMTPは単純ながらも非常に効率的で、今日の電子メール通信の基盤を形成しています。セキュリティの観点から、SMTPはTLS/SSLを使用して暗号化されることが増えており、これにより送信データの機密性が保たれます。