ステートレス(stateless)プロトコルは、以前の通信セッションの状態を保持しない通信プロトコルです。各トランザクションは完全に独立しており、以前のリクエストやセッションのデータを参照しないため、各リクエストはすべて必要な情報を含んでいる必要があります。
HTTP(HyperText Transfer Protocol)は、ステートレスなプロトコルの一例です。HTTPでは、サーバーはクライアントのリクエストを受け取ると、レスポンスを返して即座にそのリクエストの情報を忘れます。つまり、HTTPリクエストは互いに独立しており、HTTPサーバーはそれらのリクエスト間の関連性を保持しません。
ステートレスプロトコルの特徴:
- 独立性: 各リクエストは独立しており、他のリクエストとの間に依存関係がありません。
- シンプルさ: サーバーがクライアントの状態を追跡する必要がないため、実装がシンプルになります。
- スケーラビリティ: サーバーがクライアントの状態を保存する必要がないため、多くのリクエストを効率的に処理できます。
- レスポンシブ: 各リクエストが独立しているため、サーバーはリクエストをすばやく処理し、レスポンスを返すことができます。
ただし、ステートレスなプロトコルでは、サーバーはクライアントの状態や以前の操作を記憶していないため、状態情報が必要なアプリケーション(例えば、オンラインショッピングカート)では、クッキーやセッション、隠しフィールドなどの技術を使用して状態を追跡する必要があります。
ステートフル(stateful)プロトコルと対照的に、ステートフルプロトコルはクライアントとサーバー間の状態情報を保持し、通信セッションにおいて以前の交換を参照することができます。これにより、トランザクション間でのコンテキストの維持が可能になりますが、同時にサーバーのリソース要求が増大し、スケーラビリティに影響を与えることがあります。