FTP(File Transfer Protocol)は、インターネット上でファイルを転送するための標準的なネットワークプロトコルです。1971年にRFC 114で初めて紹介され、その後多くの改良を経て現在に至っています。
FTPの主要な特徴は以下の通りです:
- クライアント-サーバーモデル:FTPはクライアント-サーバーモデルを採用しています。FTPサーバーはファイルをホストし、FTPクライアントはサーバーに接続してファイルのアップロードやダウンロードを行います。
- 二つの接続チャネル:FTPはデータ転送とコントロール(コマンド)のために2つの独立した接続を使用します。通常、コマンドはポート21を介して送信され、データ転送はポート20を使用します。
- 匿名FTP:FTPサーバーは匿名アクセスを許可することがあります。これにより、ユーザーは特定のユーザー名(通常は「anonymous」)と任意のメールアドレスとして機能するパスワードを使用してサーバーにアクセスできます。
- セキュリティの懸念:FTPは元々セキュアなプロトコルとして設計されていないため、ユーザー名やパスワード、および転送されるファイルの内容が暗号化されずにネットワーク上で送信されることがあります。
- SFTPとFTPS:セキュリティの問題を解決するため、SFTP(SSH File Transfer Protocol)やFTPS(FTP Secure、FTP over SSL/TLS)といったプロトコルが開発されました。これらは、データの暗号化と安全なファイル転送を提供します。
FTPはファイルを配布したり、ウェブサイトのコンテンツを更新したり、バックアップデータを転送したりする場面で広く使用されています。ただし、現代ではセキュリティが強化された代替手段が推奨される傾向にあります。