プライベートIPアドレスは、特定のネットワーク内でのみ使われ、インターネット全体では使用されないIPアドレスです。これらのアドレスは、RFC 1918によって定められた範囲内にあり、一般的には家庭やオフィスなどのローカルエリアネットワーク(LAN)で使用されます。
プライベートIPアドレスの特徴
- ネットワーク内でのみユニーク: 同じプライベートネットワーク内ではユニークでなければなりませんが、異なるプライベートネットワーク間では同じアドレスが使用されることがあります。
- インターネット上では使えない: プライベートIPアドレスを持つデバイスは、NAT(ネットワークアドレス変換)を介さずにインターネットに直接アクセスすることはできません。
- ISPによって管理されない: これらのアドレスはインターネットサービスプロバイダによって割り当てられるものではなく、各組織や個人が自由に管理し使用できます。
- 無償で利用可能: プライベートIPアドレスは無料で利用でき、IPアドレスの枯渇の問題からも影響を受けません。
プライベートIPアドレスの範囲
プライベートIPアドレスの範囲は以下の通りです。
- 10.0.0.0 – 10.255.255.255 (10/8 prefix)
- 172.16.0.0 – 172.31.255.255 (172.16/12 prefix)
- 192.168.0.0 – 192.168.255.255 (192.168/16 prefix)
これらの範囲にあるアドレスはどの組織でも自由に使用でき、インターネット上での重複の心配はありません。
プライベートIPアドレスの使用
- デバイス間通信: 同一ネットワーク内でのデバイス間で通信するために使用されます。
- ネットワークリソースへのアクセス: 共有ファイルサーバーやプリンターなどのネットワークリソースにアクセスするために使われます。
- セキュリティ: プライベートアドレスを使用することで、ネットワークは自動的にインターネットから隔離され、外部からの直接的なアクセスが防がれます。
プライベートとパブリックIPアドレスの関連
多くのネットワークでは、NATを使ってプライベートIPアドレスをパブリックIPアドレスにマッピングし、インターネットにアクセスします。例えば、家庭のWi-Fiルーターは、多数のデバイスがプライベートIPアドレスを使用して接続し、単一のパブリックIPアドレスを共有してインターネットへアクセスするように設定されています。
このプロセスによって、限られた数のパブリックIPアドレスを効率的に利用し、内部ネットワークのセキュリティを確保しつつ、多数のデバイスがインターネットに接続できるようになっています。