IPv4とは

IPv4とは、インターネット・プロトコル・バージョン4(Internet Protocol Version 4)の略で、インターネット上でデバイス間の通信を可能にするために最も広く使われているプロトコルです。IPv4は、TCP/IPプロトコルスタックの中核となる部分で、ネットワーク層でのデータの配送とルーティングに責任を持っています。

IPv4の特徴

  1. アドレス構造: IPv4アドレスは32ビットの長さを持ち、2進数で表されます。一般的には、人間が読みやすいように、8ビットごとに分割され、それぞれを10進数に変換してピリオドで区切った形式(ドットデシマル記法)で表記されます。例えば、11000000.10101000.00000001.00000001は192.168.1.1として表現されます。
  2. アドレス空間: 32ビットのアドレス空間を持つため、IPv4は理論上約43億のユニークなIPアドレスを提供することができます。しかし、実際にはいくつかのアドレスは特別な目的で予約されており、使うことができません。
  3. サブネット: IPv4ネットワークは、サブネットマスクを使用してサブネットに分割することができます。サブネットマスクは、どの部分がネットワークアドレスで、どの部分がホストアドレスかを定義します。
  4. NAT(Network Address Translation): IPv4アドレスの不足を解決するために、NATが一般的に使用されます。これにより、プライベートIPアドレスを使用している複数のデバイスが、単一のパブリックIPv4アドレスを共有してインターネットにアクセスできるようになります。
  5. DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol): IPアドレスの自動割り当てにはDHCPがよく使われます。これにより、デバイスはネットワークに接続するたびにIPアドレスを動的に受け取ることができます。

IPv4の問題点と将来性

  • アドレスの枯渇: IPv4アドレスの枯渇は、インターネットの急速な成長に伴う主要な問題です。新しいデバイスと接続の増加により、利用可能なIPv4アドレスはほとんど使い果たされています。
  • IPv6への移行: IPv4のアドレス不足の問題に対処するため、IPv6が開発されました。IPv6は128ビットのアドレス空間を提供し、ほぼ無限に近い数のデバイスに対応できますが、全世界でのIPv6への移行は徐々に進行している状態です。

IPv4は今日においてもインターネットの基盤として広く利用されていますが、将来的にはIPv6に置き換わることが予測されています。IPv6へのスムーズな移行のために、多くのネットワークでは両方のプロトコルが併用されています。

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