SPARQL(SPARQL Protocol and RDF Query Language)は、RDF(Resource Description Framework)データを検索および操作するためのW3Cによって標準化されたクエリ言語です。SQL(Structured Query Language)に似ており、ウェブ上の分散されたRDFデータベースから情報を取得するために使用されます。
SPARQLの主な特徴
- RDFデータベースの検索: SPARQLを使用して、RDFトリプルストアから特定のパターンにマッチするデータを検索することができます。
- 複雑なクエリ: 複数のRDFソースをまたいだ複雑なクエリを実行し、結合、フィルタリング、集計などの操作を行うことが可能です。
- 更新機能: SPARQL 1.1では、RDFデータの挿入、削除、更新を行うための操作もサポートしています。
- プロトコル: SPARQLクエリは、HTTP経由でリモートRDFデータストアに対して送信することができ、結果をXML、JSON、CSVなどの形式で受け取ることができます。
SPARQLクエリの例
以下は、SPARQLクエリの基本的な形式です。
PREFIX foaf: <http://xmlns.com/foaf/0.1/>
SELECT ?name WHERE {
?person foaf:name ?name .
}
このクエリは、foaf:name
プロパティを持つ全ての人物の名前を選択することを意味します。PREFIX
宣言は、クエリ内で使われるURIの名前空間を短縮するために使用されます。
SPARQLクエリのタイプ
- SELECT: 特定の変数にバインドされた値を選択して結果を返します。
- CONSTRUCT: 検索結果から新しいRDFグラフを構築します。
- ASK: クエリのパターンがデータ内に存在するかどうかの真偽値を返します。
- DESCRIBE: 指定されたリソースに関するRDFグラフを返します。
SPARQLエンドポイント
SPARQLエンドポイントは、SPARQLクエリを処理するためのHTTPインターフェースを提供するウェブサービスです。ユーザーはSPARQLクエリをエンドポイントに送信し、対応するRDFデータベースから結果を受け取ります。
SPARQLの使用
SPARQLは、セマンティックウェブアプリケーション、オントロジーベースのデータアクセス、データ統合など、多様なシナリオで使用されます。SPARQLを使うことで、異なるソースからの膨大な量の構造化されたデータにクエリを実行し、有意義な情報を抽出することができます。