セマンティック(semantic)とは、「意味」に関連するという意味で、ウェブ開発の文脈では、マークアップがコンテンツの意味や構造を明確に表現することを指します。セマンティックなウェブは、ウェブページのマークアップがその内容を適切に説明し、検索エンジンやブラウザ、スクリーンリーダーなどが内容を正しく解釈できるようにすることを目指しています。
セマンティックHTML
セマンティックHTMLは、ウェブページの各部分が何を意味するのかを明確にするために、意味を持つHTMLタグを使用することです。これにより、コンテンツが構造的に正しく、アクセスしやすく、SEOに有利になります。
例えば、HTML5では以下のようなセマンティック要素が導入されました。
<header>
: ページまたはセクションのヘッダー部分。<nav>
: ナビゲーションリンクを含むセクション。<article>
: 独立したコンテンツを表すセクション。<section>
: ドキュメント内の一つのセクションまたはグループ。<footer>
: ページまたはセクションのフッター部分。<aside>
: サイドバーや補足的なコンテンツ。<figure>
と<figcaption>
: 図やイラスト、図表などのコンテンツとそのキャプション。
これらの要素を使用することで、ウェブページの各部分がどのような役割を果たしているのかをブラウザや検索エンジンが理解しやすくなります。
セマンティックウェブ
セマンティックウェブは、ウェブのデータが機械によって読み取りやすくなるように、データに意味(セマンティックス)を追加することを目指すウェブの拡張です。これは、RDF(Resource Description Framework)、OWL(Web Ontology Language)、SPARQL(SPARQL Protocol and RDF Query Language)などの技術を使用して実現されます。
セマンティックウェブのアプローチを通じて、ウェブページ上のデータを様々なソースからリンクさせ、意味のある関連性を持たせることが可能になります。これにより、より高度な検索、データの統合、知識の再利用が可能になり、ウェブが一層豊かな情報源となります。
セマンティックウェブの重要性
- アクセシビリティ: スクリーンリーダーを使用する視覚障害者がウェブページの構造を理解しやすくなります。
- SEO: 検索エンジンがページの内容をより正確に解釈し、関連する検索結果を提供するのに役立ちます。
- 保守性: セマンティックマークアップは、ウェブページがより読みやすく、保守しやすいコードを促進します。
- データの再利用: セマンティックウェブにより、データが異なるアプリケーション間で容易に共有され、再利用されるようになります。
セマンティックなアプローチは、ウェブをより機能的で、検索しやすく、ユーザーフレンドリーなものに変えていくための鍵となります。