AS(Autonomous System)は、インターネット上のIPネットワークのグループで、一つのまたは複数のネットワーク運営者によって管理される単一のルーティングポリシーの下で運用されています。各ASは、グローバルに一意なAS番号(ASN)によって識別されます。
ASの特徴
- 自律的な管理: ASは単一の管理組織(例えば、インターネットサービスプロバイダー、大学、企業など)によって管理されます。
- 一意なポリシー: AS内のルーティングは、内部ポリシーに基づいて統一的に管理されます。
- 外部接続: ASは他のASとの間で、BGP(Border Gateway Protocol)を使用してルーティング情報を交換します。
ASの役割
- インターネットの構造: ASはインターネットの基本的な構造単位であり、インターネットの階層的なトポロジーを形成します。
- ルーティングの最適化: 各ASは自身のネットワーク内のトラフィックを最適にルーティングするためのポリシーを設定します。
- ポリシーに基づくルーティング: ASは、トラフィックの経路選択を自身のビジネスモデルや技術的要件に基づいて行います。
AS番号(ASN)
- グローバルに一意: 各ASはIANA(Internet Assigned Numbers Authority)によって管理されている一意のASNを割り当てられます。
- パブリックとプライベート: ASNにはパブリックASNとプライベートASNがあり、パブリックASNはインターネット全体で使用され、プライベートASNは特定の組織内部でのみ使用されます。
ASとBGP
- BGPセッション: AS間でのルーティング情報の交換はBGPセッションを通じて行われます。
- ポリシーに基づくルーティングの決定: BGPはAS間のポリシーに基づいてルーティング情報を広告し、ルーティングの決定を行います。
ASの運用
- ピアリング: 同等のAS間で直接トラフィックを交換することを指し、通常はコストの節約やパフォーマンスの向上を目的としています。
- トランジット: 一つのASが別のASに対して、インターネットへのアクセスを提供することを指します。トランジットプロバイダは通常、このサービスに対して料金を請求します。
Autonomous Systemはインターネットのバックボーンを構成し、グローバルなインターネット通信において中心的な役割を果たしています。インターネットのスケーラビリティと複雑さを管理するために、ASは重要な概念であり、インターネットのルーティングアーキテクチャにおいて基本的な単位です。