SRAM(Static RAM)とは

SRAM(Static RAM)は、Static Random Access Memoryの略で、揮発性メモリの一種です。DRAM(Dynamic RAM)と比較して、データを保持するために電源が供給されている限り、リフレッシュが不要であることが特徴です。これはSRAMが、情報を保存するためにフリップフロップ回路を使用しているためです。フリップフロップは、二つの安定した状態を持ち、1ビットのデータ(0または1)を保持することができます。

SRAMの特徴

  • 高速アクセス: SRAMはDRAMに比べて高速にアクセスできるため、CPUのキャッシュメモリなどの高速が要求されるアプリケーションで使用されます。
  • 電力消費: リフレッシュが不要なため、使用する電力が比較的少なく、効率的です。
  • コスト: フリップフロップの設計が複雑で製造コストが高いため、DRAMに比べて高価です。
  • 密度: 一つのビットを保存するために複数のトランジスタとキャパシタが必要なため、同じ記憶容量を持つDRAMに比べて、チップのサイズが大きくなります。

SRAMの用途

  • CPUキャッシュ: CPUの近くで高速なデータアクセスが要求されるL1、L2、L3キャッシュに使用されます。
  • ハードウェアデバイス: 高速アクセスが必要なハードウェアデバイスや組み込みシステムで利用されることがあります。
  • デジタルスイッチ: ネットワーク機器などで、迅速なデータ処理が求められる場所にも使われます。

SRAMの種類

  • 非同期SRAM: クロック信号に同期せずに動作するSRAMで、単純な制御ロジックが特徴です。
  • 同期SRAM: クロック信号に同期して動作し、データ転送のタイミングを最適化することで高速なデータアクセスを実現します。

SRAMの欠点

  • 容量の制限: 製造コストと物理サイズの制約から、DRAMに比べて提供できる容量が限られています。
  • 揮発性: 電源が切れるとデータは消失します。

SRAMの高速性は、コンピュータのパフォーマンス向上において重要な役割を果たしており、特にプロセッサのキャッシュとしての使用が一般的です。しかし、そのコストと物理サイズのため、主記憶装置としては一般にDRAMが使用されます。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*