Tier 1 ISP(インターネットサービスプロバイダー ティア1)は、インターネットのトラフィックを交換する際に他のネットワークに対して料金を支払う必要がない、最上位レベルのインターネットサービスプロバイダーです。彼らは、自らの広範なネットワークインフラストラクチャを持ち、他のTier 1プロバイダーとの間でピアリング(等価のトラフィック交換)を行います。これにより、それぞれのTier 1プロバイダーは、インターネットのバックボーンとして機能し、世界中の異なる地域やネットワークをつなぎます。
Tier 1 ISPの特徴
- ピアリング: Tier 1 ISPは互いに無料でトラフィックを交換するピアリング関係を持っています。これは、それぞれのネットワークが互いに等価な価値を持つと見なされるためです。
- グローバルなカバレッジ: Tier 1プロバイダーは通常、グローバルなカバレッジを持っており、多国にわたる広範なネットワークを運営しています。
- ネットワークの独立性: 他のプロバイダーからトランジット(トラフィックを転送するサービス)を購入する必要がないため、インターネットのネットワークにおいて自立しています。
- ネットワークの中核: 他のすべてのインターネットネットワークは、直接または間接的にTier 1プロバイダーを経由してトラフィックをやり取りします。
Tier 1 ISPの例
Tier 1 ISPには以下のような企業が含まれます:
- AT&T
- Verizon
- NTT Communications
- Level 3 Communications(現在はCenturyLinkの一部)
- Tata Communications
- Telia Carrier
これらの企業は、世界中のインターネットエクスチェンジポイント(IXP)でピアリングを行い、世界的なインターネット接続のバックボーンを提供しています。Tier 1 ISPは、そのネットワークが豊富なトラフィックを処理できるように常に拡張と更新を続けています。
Tier 1プロバイダーはそのサービスを直接消費者に提供することは少なく、通常はTier 2やTier 3のISP、大規模な企業、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)、クラウドサービスプロバイダーなどに卸売りしています。