専用線とは、ある特定の顧客（企業や組織など）が、ネットワークサービスプロバイダーから借り受ける専用の通信回線のことを指します。この回線は、他の通信やデータと共有されることなく、専用線を契約した顧客の専用のものとして提供されます。
専用線の特徴：
- 常時接続: 専用線は24時間365日常時接続されており、接続のためのダイヤルアップや認証プロセスが不要です。
- 保証された帯域幅: 契約した帯域幅が保証されており、時間帯や他のネットワークトラフィックの影響を受けることがありません。
- 低遅延: 通信の遅延が少なく、特にデータの大量転送やリアルタイム通信が必要なアプリケーションに適しています。
- 高いセキュリティ: データが専用回線を通じてのみ転送されるため、セキュリティが高く、データの盗聴や傍受のリスクが減少します。
- 高コスト: 専用線は共有サービスよりも高価であり、セットアップ費用、月額費用などのコストが発生します。
専用線の利用例：
- 企業間接続: 企業が複数のオフィス間でデータをやり取りする際に、セキュリティと信頼性を確保するために使用されます。
- データセンター: クラウドサービスや大規模なウェブホスティング環境でのデータセンターへの信頼性の高い接続に利用されます。
- 金融取引: 高頻度取引（High-Frequency Trading, HFT）など、極めて低遅延が要求される金融取引に使用されます。
- リモートワーク: VPN（仮想私用ネットワーク）と組み合わせて、在宅勤務やリモートオフィスへの安全な接続に使用されることがあります。
専用線は、インターネット接続の共有サービスでは要求を満たすことができないような特定のビジネスニーズに対応するために、重要な役割を果たしています。高速で信頼性の高い接続が必要な大企業や、セキュリティが非常に重要な組織にとって、不可欠なサービスとなっています。