OSIモデルのセッション層は、第5層であり、アプリケーション間のセッションの確立、管理、および終了を担当します。この層は、データ交換を行うアプリケーション間での対話をコントロールし、通信の連続性を保持するためのメカニズムを提供します。
セッション層の主な機能:
- セッションの確立、管理、終了: セッション層は通信を開始し、維持し、終了するための対話を設定します。これには、セッションを確立する際の認証と認可のプロセスも含まれることがあります。
- 対話制御: セッション層は双方向の通信(対話)を管理し、通信が半二重または全二重であるかをコントロールします。
- 同期: セッション層は、データストリーム内でのチェックポイントを挿入することで、長いデータの転送における同期を保ちます。これにより、障害発生時には、最後のチェックポイントからデータの再送が可能になります。
- トランザクション管理: 一部のセッションプロトコルは、トランザクション処理をサポートし、各トランザクションが正しく完了するようにします。
セッション層が提供するサービスは、アプリケーションが一貫性のある方法でデータ交換を行うために不可欠です。例えば、WebブラウザとWebサーバ間の通信、ファイル転送セッション、データベースへのアクセスなどがこの層で管理されます。
セッション層のプロトコルとサービス:
- NetBIOS(Network Basic Input/Output System): ネットワーク上でのアプリケーション間通信をサポートするAPI。
- SMB(Server Message Block): 主にWindows環境でファイル共有などに使われるプロトコル。
- RPC(Remote Procedure Call): 異なるネットワーク上のコンピュータ間でプログラムが実行されるのを可能にするプロトコル。
- PPTP(Point-to-Point Tunneling Protocol): VPN接続で使用されるプロトコルの一つ。
セッション層の機能は、特に分散アプリケーションや複雑なトランザクションを必要とするアプリケーションで重要です。しかし、実際のネットワークスタックでは、これらの機能はしばしばアプリケーション層のプロトコルによって直接取り扱われます。