ループバックテストは、通信ネットワークにおいて、送信した信号が正しく受信できるかを確認するためのテスト手法です。ネットワークインターフェースまたはシステムの正常性を検証するために実施されます。このテストは、物理的な接続やデータの送受信機能が正しく動作しているかを確認するのに役立ちます。
ループバックテストには、主に2種類あります:
- ソフトウェアループバックテスト:
ソフトウェアまたはシステムレベルで実施されるテストで、送信信号がネットワークスタック内でループバックされ、同じシステム上で受信されます。これにより、ネットワークインターフェースカード(NIC)やドライバ、OSのネットワークスタックが正しく機能しているかを検証できます。 - ハードウェアループバックテスト:
物理的な接続を介して実施されるテストで、ネットワークインターフェースの送信ピンと受信ピンを物理的に接続します。ハードウェアループバックは、通常、特定のテスト信号を送信し、同じ信号が受信されるかをチェックすることで、ケーブルやポートなどの物理的な部分が正しく機能しているかを検証します。
ループバックテストは、ネットワークのトラブルシューティングにおいて非常に有効な手段とされており、特に次のような場面で用いられます:
- ネットワークデバイスの初期設定時
- ネットワークデバイスの故障診断時
- ソフトウェアアップデート後の機能検証時
IPネットワークにおけるループバックテストの一例としては、ループバックアドレス127.0.0.1
(IPv4)や::1
(IPv6)を使ったテストがあります。これらのアドレスに対してpingコマンドなどを使用し、自身のシステムが正しく応答するかを確認することができます。