UDP とは

UDP(User Datagram Protocol)は、インターネットのトランスポート層で使用されるプロトコルの一つで、TCPと並んでよく使われていますが、TCPよりもシンプルな機能を提供します。UDPはコネクションレス(非接続型)であり、データの信頼性や順序保証を行わない代わりに、オーバーヘッドが少なく、高速なデータ転送を可能にします。以下にUDPの主な特徴を説明します。

コネクションレス

UDPはコネクションを確立する必要がなく、事前のハンドシェイクを行わずにデータを送信します。これにより、セットアップ時間が短縮され、迅速な通信が可能になります。

低オーバーヘッド

UDPヘッダーは8バイトの固定長で、TCPヘッダーの20バイトに比べて小さく、データ転送のオーバーヘッドが少ないです。これにより、ネットワーク帯域をより多くのアプリケーションデータ転送に使用できます。

チェックサム

UDPもチェックサムを提供しており、これによりデータの整合性がある程度確保されますが、誤ったデータが検出された場合の再送要求や修正は行いません。

順序保証なし

UDPでは、パケットが送信された順序で受信されることは保証されません。パケットは任意の順序で到着する可能性があり、順序の再構築はアプリケーション側で行う必要があります。

フロー制御・輻輳制御なし

UDPにはフロー制御や輻輳制御のメカニズムがないため、ネットワークの状況に関わらず一定の速度でパケットを送信します。これにより、ネットワークの過負荷時にパケットロスが生じる可能性が高まります。

用途

UDPはリアルタイムアプリケーションに適しており、遅延が許されないビデオストリーミング、オンラインゲーム、音声通話(VoIP)などによく使用されます。また、DNSクエリやSNMP(Simple Network Management Protocol)など、小さな情報量を素早く交換する必要がある場合にも使われます。

まとめ

UDPは信頼性よりも速度を優先するシナリオに適しており、遅延やオーバーヘッドを最小限に抑えたいアプリケーションでの使用が推奨されます。信頼性が必要な場合はTCPが適していますが、リアルタイム性が重視される場合にはUDPの方が望ましい選択となることが多いです。

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