LoadRunnerは、Micro Focus(旧Hewlett Packard Enterprise)が提供する商用の負荷テストツールです。主にアプリケーションやシステムのパフォーマンステストを行い、仮想ユーザーを生成してシステム上に負荷をかけることで、アプリケーションの応答性、スケーラビリティ、安定性を評価します。大規模なエンタープライズシステムや複雑なウェブアプリケーションに対する負荷テストに広く利用されています。
LoadRunnerの主な機能
- 多様なプロトコルサポート: Web/HTTP, Web Services, SAP, Oracle, Microsoft .NET, Citrix, Javaなど多くのプロトコルに対応しています。
- 仮想ユーザー生成: 負荷テストのために大量の仮想ユーザー(Vuser)を生成し、リアルなユーザー行動をシミュレートします。
- リアルタイムモニタリング: テスト実行中にCPU使用率、メモリ使用量、ネットワーク遅延などをリアルタイムで監視できます。
- 詳細なレポート: テストの結果を詳細なグラフやレポートで提供し、パフォーマンスのボトルネックを特定できます。
- スクリプティング機能: VuGen(Virtual User Generator)を使用して、ユーザーアクションのスクリプトを作成し、編集できます。
- シナリオデザイン: Controllerコンポーネントを使用して、複数のVuserスクリプトを組み合わせてテストシナリオをデザインします。
- 統合環境: DevOpsツールチェーンとの統合や、CI/CDパイプラインとの連携が可能です。
LoadRunnerの使用法
LoadRunnerは主に以下の手順で使用されます:
- スクリプティング: VuGenを使用してユーザーのアクションを記録し、自動化スクリプトを生成します。
- シナリオ作成: Controllerを使用して、異なるタイプのVuserスクリプトを組み合わせて負荷テストシナリオを作成します。
- テスト実行: Controllerでテストシナリオを実行し、Vuserを通じてシステムに負荷をかけます。
- 監視と分析: LoadRunnerのモニタリングツールを使用して、テストのパフォーマンスメトリクスをリアルタイムで監視し、分析します。
- 結果のレポート: 最終的なテスト結果を詳細なレポートとして確認し、必要なシステムの改善点を特定します。
LoadRunnerのバリエーション
LoadRunnerは、異なるニーズに合わせていくつかのバリエーションを提供しています:
- LoadRunner Professional: 従来のアプリケーション向けの負荷テストツール。
- LoadRunner Cloud: クラウドベースの負荷テストソリューション。
- LoadRunner Enterprise: 大規模組織向けに拡張性と共有機能を備えたソリューション。
LoadRunnerは長年にわたり業界標準とされており、その豊富な機能と信頼性の高さから、多くの企業でパフォーマンステストのソリューションとして採用されています。