h5タグの使い方と注意点:読みやすいページ構造を作るために

目次

HTMLのh5タグは、「見出しタグ」と呼ばれるh1〜h6タグのうちのひとつで、見出しレベルとしては上から5番目に位置するタグです。見出しタグは、ページ内の文章を「タイトル」「章」「節」「項目」といった単位で階層的に整理するための仕組みであり、その中でh5はかなり細かいレベルの見出しを表します。数字が小さいh1やh2が大きな話題を示すのに対して、h5はそのさらに下の、小さな話題や細部の説明に用いられるイメージです。

HTMLのh5タグとは何か:役割と基本的な意味

まず、HTMLの見出しタグ全体の流れを押さえておくとh5の位置づけが理解しやすくなります。見出しタグは<h1>から<h6>まであり、一般的には次のように考えます。

  • h1:ページ全体のタイトル(もっとも大きな見出し)
  • h2:ページをいくつかの大きなセクションに分ける見出し
  • h3:h2の中の小セクションの見出し
  • h4:さらに細かい項目の見出し
  • h5:その下のサブ項目の見出し
  • h6:最も細かいレベルの見出し

この中でh5は、かなり深い階層にある見出しであり、「大見出し → 中見出し → 小見出し → 細目 → さらに細かいポイント」というように内容を段階的に分けていくときに登場します。文章量が多く、構造が複雑なドキュメントで、情報をきちんと整理して伝えたい場合に使われることが多いタグです。

h5タグの基本的な書き方は、ほかの見出しタグと同じく、開始タグ <h5> と終了タグ </h5> でテキストを挟む形になります。

<h5>設定ファイルの詳細オプションについて</h5>

この1行だけを見ると、単に文字がやや小さめの見出しとして表示されるだけですが、重要なのは「見た目」ではなく「意味」です。h5タグは、「このテキストはページ全体の中で、かなり細かい階層に属する見出しですよ」とブラウザや検索エンジン、スクリーンリーダーに伝えるためのものです。そのため、h5を使うときは必ず「上位にh1〜h4が存在しているか」「この話題は本当にそこまで細かく分ける必要があるか」といった構造面を意識する必要があります。

もう少し具体的なイメージを持つために、簡単なアウトラインの例を挙げてみます。

<h1>HTML見出しタグの完全ガイド</h1>

<h2>見出しタグの基本</h2>
  <h3>h1〜h6の役割</h3>
    <h4>h1の役割</h4>
    <h4>h2〜h3の役割</h4>
    <h4>h4〜h6の役割</h4>

<h2>各見出しタグの詳しい説明</h2>
  <h3>h4タグの説明</h3>
  <h3>h5タグの説明</h3>
    <h4>h5を使う前提となる構造</h4>
    <h4>h5の実例</h4>
      <h5>ブログ記事の中でのh5</h5>
      <h5>マニュアルの中でのh5</h5>

ここでは、h5は「h4で分けた小見出しのさらに内側」で使われています。たとえば、長いマニュアルや技術ドキュメントの中で、「章(h2)→節(h3)→項(h4)→細目(h5)」のような構成を作りたい場合にh5が活躍します。逆に、「そこまで細かく分ける必要がない」文章では、h5が一度も登場しないことも珍しくありません。h5はあくまで「深い階層を表すための道具」であり、必ず使わなければいけないタグではない、という点も押さえておくとよいです。

初心者の方が勘違いしやすいポイントとして、h5を「小さめの見出しだから使う」という発想があります。見出しタグはブラウザの初期状態ではサイズや太さが違って見えますが、これはあくまでブラウザ側が用意した「標準の見た目」にすぎません。文字サイズや太さはCSSを使って自由に変更できますので、「小さく見せたいからh5にする」という考え方はおすすめできません。HTML側では「どの階層なのか」「どれくらい重要な見出しなのか」を基準にタグを選び、見た目の調整はCSSに任せるのが基本的な考え方です。

また、h5タグは検索エンジンや支援技術にとっても意味のある情報を提供します。検索エンジンは、見出しタグの内容を手がかりにページの構造やトピックを理解しようとしますし、スクリーンリーダーは見出しレベルごとにジャンプしながら読み上げを行います。h5が適切な階層で使われていれば、「今は大きな話題の中のさらに細かい説明部分を読んでいる」という文脈が伝わりやすくなります。

このように、HTMLのh5タグは「ページ内のかなり細かいレベルの見出し」を表すタグであり、文章を階層的に整理するうえで必要に応じて登場する要素です。使う頻度はh1〜h3ほど多くありませんが、情報量の多いページや複雑なドキュメントでは、内容を整理して伝えるための大切なピースとなります。

h5タグが使われる場面:階層構造の深い文書での役割

h5タグが本領を発揮するのは、HTML文書の階層構造が深くなり、「大きな話題の中に、中くらいの話題があり、その中にさらに細かい話題がある」といった入れ子構造が必要な場面です。h2やh3だけでは表現しきれない細かさを見出しとして整理したいときに、h4・h5・h6といった下位レベルの見出しタグが登場します。その中でもh5は、比較的「細部の説明」や「補足的な小項目」を整理するための見出しとして使われることが多いタグです。

マニュアルやドキュメント系ページでのh5タグ

h5タグがよく使われる代表的なケースとしては、マニュアルや仕様書、技術ドキュメントのような情報量の多いページが挙げられます。例えば、ある機能の説明を行うページで、

  • 機能全体の説明(h2)
  • 個々の画面ごとの説明(h3)
  • 各画面にある大きな項目(h4)
  • その項目の中の細かい設定項目(h5)

といったように、レベルを分けて構造化したい場面があります。

<h2>ユーザー設定</h2>
  <h3>プロフィール設定</h3>
    <h4>基本情報</h4>
      <h5>ユーザー名</h5>
      <h5>メールアドレス</h5>
      <h5>プロフィール画像</h5>

この例では、「ユーザー設定」という大きなテーマの中に「プロフィール設定」があり、その中に「基本情報」というグループ、そのさらに中に「ユーザー名」「メールアドレス」といった細かい項目が並んでいます。h5を使うことで、「基本情報」という枠の内側にある細目として、それぞれの設定項目を見出しレベルで区別できる状態になっています。

長いマニュアルでは、このように階層をしっかり分けておくことで、読者が必要な情報だけを素早く見つけられるようになります。スクロールしながら見出しを追うだけで、「今どの画面の、どの部分の説明を読んでいるのか」が把握しやすくなる点もメリットです。

ブログや解説記事での「補足セクション」の小見出し

ブログ記事や解説記事の中でも、情報量が多いテーマを扱う場合にはh5が登場することがあります。たとえば、h2で「h5タグの活用例」、h3で「マニュアルでの活用」「ブログ記事での活用」と分け、その中でさらに細かいケースを説明するときにh4・h5を使うような構成です。

<h2>h5タグの活用例</h2>
  <h3>ブログ記事での活用</h3>
    <h4>基本的な使い方</h4>
      <h5>長文記事の中の注意書き</h5>
      <h5>補足情報の小見出し</h5>

こうした場面では、「記事全体の流れ」としてはそこまで重要度が高くないものの、読者にとっては知っておくと便利な補足情報がいくつか並ぶことがあります。そのとき、単なる太字ではなくh5の小さな見出しにすることで、「補足の中でも項目が分かれている」ことを明確に示すことができます。

FAQやヘルプページでの細かい質問項目

FAQ(よくある質問)やヘルプページも、階層構造が深くなりやすいコンテンツです。例えば、

  • カテゴリ(h2)
  • 大きな質問グループ(h3)
  • 個別の質問(h4)
  • その中の注意事項や条件(h5)

といった形で整理する場合があります。

<h2>アカウントに関する質問</h2>
  <h3>ログイン・ログアウト</h3>
    <h4>パスワードを忘れた場合</h4>
      <h5>メールアドレスが使えないとき</h5>
      <h5>セキュリティ上の注意点</h5>

ここでは、h4がユーザーが知りたい具体的な質問内容を表し、h5がその中の条件や注意事項を小見出しとして整理しています。これにより、ユーザーは自分に関係する部分だけをすばやく目で追うことができ、サポート情報としても見やすい構造になります。

UIコンポーネントごとの解説での使用

最近のWebサイトでは、ボタンやカード、モーダルウィンドウなど、さまざまなUIコンポーネントについて説明するドキュメントが用意されることがあります。こうしたデザインシステムやコンポーネントガイドの中でも、h5は細かいサブセクションの見出しとして使われることがあります。

たとえば、カードコンポーネントの説明ページを考えると、

  • ページタイトル(h1)
  • コンポーネントの概要(h2)
  • 使用例(h2)
  • プロパティ一覧(h2)

という大まかな構成があり、プロパティ一覧の中で「必須プロパティ」「任意プロパティ」「非推奨プロパティ」などをさらに分けたいときにh3やh4、その中の個々の項目名にh5を使う、といった形です。

h5タグが向いているケース・向いていないケース

h5が向いているのは、次のような条件がそろっているときです。

  • ページ全体の情報量が多く、章・節・項目をしっかり分けたいとき
  • h2〜h4までの階層をすでに使っていて、さらに下位の小項目を見出しとして扱いたいとき
  • 各小項目に対して、短い説明文や箇条書きを付けたいとき

一方で、次のような場合には、無理にh5を使う必要はありません。

  • そもそもh3やh4までで十分に整理できている短めのページ
  • 階層を増やすと、かえって読者が迷ってしまう場合
  • 「見た目を小さくしたい」だけが理由のとき(この場合はCSSで調整する方が適切です)

階層が深くなるほど、読者にとっては「今自分がどの話題を読んでいるのか」が分かりにくくなることもあります。そのため、h5を使うかどうかは、「構造を深くすることで情報が整理されるかどうか」を基準に判断することが大切です。

文章設計の段階でh5の必要性を検討する

h5タグは、「とりあえずHTMLを書きながら適当に決める」というより、文章やページの構成を考える段階で、「ここはh2、ここはh3、その内部をさらにh4・h5で分けたい」と計画しておくと使いやすいタグです。紙のノートにアウトラインを書き出してみて、

  • レベル1:ページのタイトル
  • レベル2:大きな見出し
  • レベル3:中見出し
  • レベル4:さらに細かい項目
  • レベル5:細目・補足的なサブ項目

という形で整理したときに、レベル5が必要であれば、それがh5に相当します。設計の段階で「ここまで細かく分けると、むしろ分かりづらくならないか」を考えながら、h5を使う場面を選んでいくと、健全な階層構造を保ちやすくなります。

h1〜h6との違いから見るh5タグの位置づけ

HTMLの見出しタグは、h1からh6まで6段階に分かれており、それぞれが文書構造の中で異なるレベルの見出しを表します。h1が最上位、h6が最下位という序列になっていて、数字が大きくなるほど「より細かい話題」「より下位の見出し」という意味合いが強くなります。h5タグはその中で上から5番目、つまりかなり深い階層に属する見出しです。まずは、各見出しタグの一般的な役割をざっくり整理しておくと、h5の位置づけが理解しやすくなります。

  • h1:ページ全体のタイトル。ページが何について書かれているかを示す最上位の見出し
  • h2:ページ内の大きな区切り。章レベルの見出し
  • h3:h2の中の小さな区切り。節レベルの見出し
  • h4:h3の下のさらに細かい区切り。項目レベルの見出し
  • h5:h4の下位に位置する細目レベルの見出し
  • h6:もっとも細かい補足的な見出し

この中でh5は、「すでにh2〜h4で十分に構造化された文章を、さらに細かく分けたいとき」に初めて必要になるレベルです。言い換えると、h5が登場する段階では、ページの内容がかなり複雑になっていることが多く、情報を段階的に整理しないと読者が迷いやすい状況であると言えます。

h1〜h3までは、ほとんどのWebページでよく使われるレベルです。ブログ記事やサービス紹介ページ、企業サイトのコンテンツでも、「ページタイトル(h1)→大見出し(h2)→小見出し(h3)」までで十分に構造を表現できることが多くあります。一方、h4〜h6は、技術ドキュメントや仕様書、マニュアル、情報量の多い解説サイトなど、「文章量も階層も多いページ」で主に使われます。その意味で、h5は一般的なWebページでは頻度が高くないものの、情報量が多い場面では重要な役割を担う「上級レベルの見出し」とも言えます。

h5とh4・h6との違いをもう少し詳しく見ると、次のような特徴があります。h4は、h3でまとめた話題をいくつかの小項目に分けるための見出しです。たとえば「見出しタグの種類(h3)」というテーマを、「h1の役割(h4)」「h2の役割(h4)」「h3〜h6の役割(h4)」のように整理するイメージです。そのh4の中で、さらに「h5だけを詳しく説明したい」「h5の活用例を細かく分けたい」といった場合に登場するのがh5です。つまり、h5は「h4の中身をさらに分解したいときの見出し」という位置づけになります。

h6は、h5よりもさらに下位にある最小レベルの見出しです。実務では、h6まで使わずにh5までで十分なことも多く、h6を使う機会はかなり限られます。そのため、h5は「下から2番目の細かい見出し」として、まだ比較的使われる可能性があるレベルだと考えられます。特に、細かい仕様の違いを説明するときや、注意書きや条件を小見出しとして整理したいときには、h5がちょうどよい粒度になることがあります。

また、h1〜h6は見た目の大きさや太さが段階的に変わりますが、これらはあくまでブラウザの初期設定によるものです。重要なのは、視覚的な大きさの違いではなく、「文書構造のどのレベルか」という意味の違いです。h2とh5を比較したとき、どちらも見出しである点は同じですが、h2はページ全体の構造上かなり上位の話題を示し、h5はその中で枝分かれした細かい話題を示します。この「上位・下位」の関係を正しく表現するために、h1〜h6のレベルを意識して選ぶことが大切です。

実際の設計では、「まずh1でページ全体のテーマを決める」「h2で大きな章を分ける」「h3で章の中を整理する」という流れが基本になります。そのうえで、内容がさらに細かくなり、「このh3の中をさらに3〜4個のグループに分けたい」「各グループの中でも説明項目を分けたい」といった段階に来たときに、h4やh5の出番が訪れます。つまり、h5は「いきなり使うタグ」ではなく、「上位の見出しがしっかり設計されたあとに、必要に応じて追加される」レベルだと考えるとイメージしやすくなります。

h5タグを正しく使うための構文と書き方のポイント

h5タグは、基本的な構文自体はとてもシンプルですが、「どのような場面で」「どのようなテキストを」「どの階層に置くか」という使い方の部分でつまずきやすいタグです。ここでは、HTMLの見出しタグに共通する書き方のルールとあわせて、h5タグを正しく使うための具体的なポイントを整理してご説明します。

h5タグの基本構文

まず、h5タグそのものの書き方は、ほかの見出しタグと同じで、開始タグと終了タグでテキストを挟むだけです。

<h5>細かい設定項目のタイトル</h5>

この1行で「細かい設定項目のタイトル」という文字列がh5見出しとして扱われます。開始タグ <h5> と終了タグ </h5> のセットを必ず書くこと、終了タグを省略しないことが基本です。

h5タグはインラインではなくブロック要素(1行を占有するタイプの要素)なので、前後は自動的に改行され、ひとつの塊として表示されます。

h1〜h4との関係を意識した配置

構文として文法エラーでなくても、「どこに置くか」を間違えると、ページ全体の構造が崩れてしまいます。h5タグの配置で特に意識したいのは、次の2点です。

  • 原則として、h5はh4の下位レベルとして使う
  • h2〜h3の大枠ができてから、必要な場合にのみ使う

例として、設定画面の説明を段階的に記述するときの構造です。

<h2>ユーザー設定</h2>
  <h3>プロフィール設定</h3>
    <h4>基本情報</h4>
      <h5>表示名の設定</h5>
      <h5>自己紹介文の入力</h5>

このように、h2 → h3 → h4 → h5と階段のようにレベルが深くなっていく配置が自然です。h5だけがいきなり登場するのではなく、「上位の見出しがあって、その一部分を細かく分けるための見出し」という前提を意識します。

数字を飛ばさない書き方

構文上は、h2の直後にいきなりh5を書いてもエラーにはなりませんが、構造としては不自然です。見出しレベルを飛ばすと、ブラウザや支援技術が文書の階層を解釈しづらくなります。

<!-- あまり望ましくない例 -->
<h2>設定画面の使い方</h2>
<h5>詳細設定について</h5>

このような場合、本来はh3またはh4にするのが適切です。階層を深めたいときは、レベルを1つずつ下げていくことを基本ルールとして覚えておくと安全です。

<!-- 構造として自然な例 -->
<h2>設定画面の使い方</h2>
  <h3>詳細設定について</h3>

h5を使うときも同様で、「h4の次にh5」「h5のさらに下が必要ならh6」と段階的に進めます。

見出しの直下には本文要素を置く

見出しタグのすぐ下には、段落(pタグ)やリスト(ul / olタグ)、表(tableタグ)など、本文にあたる要素を書くことが基本です。

<h5>表示名の設定</h5>
<p>ここで入力した名前がプロフィール画面に表示されます。</p>

ありがちなミスとして、見出しの下にいきなり別の見出しを続けてしまうケースがあります。

<!-- 読みにくくなりやすい例 -->
<h5>表示名の設定</h5>
<h5>自己紹介文の入力</h5>

このように見出しだけが続くと、「どの見出しにどの説明が属しているのか」が分かりづらくなります。h5を書いたら、そのすぐ下にその見出しに対する説明文を書く、というリズムを意識すると整理しやすくなります。

h5にふさわしいテキストの書き方

h5の中身のテキストは、その下の段落全体をひと言で表す「ラベル」のようなものです。具体的には次のようなポイントを意識します。

  • そのh5の下に続く内容を一言で表現する
  • 他のh5と並んだときに、何を説明しているかが一目で分かる
  • 「ここは細かい項目です」ということが自然に伝わる粒度にする

例として、ユーザー設定の中で複数の細かい項目をh5で並べる場合、次のような書き方が考えられます。

<h5>プロフィール画像のアップロード</h5>
<h5>カバー画像の変更</h5>
<h5>ソーシャルリンクの設定</h5>

それぞれが短いながらも、「何について書いてあるセクションか」が分かるように書かれていることがポイントです。

見た目の調整はCSSで行う

h5タグは、ブラウザの初期設定では比較的小さな見出しとして表示されますが、「小さく見せたい」からh5を選ぶ、という考え方は避けます。見出しタグは見た目ではなく「意味」で選び、文字サイズや余白などの見た目の部分は、CSS(スタイルシート)側で調整するのが基本です。

たとえば、h5の文字サイズをh4と同じにしたい場合、HTMLを変えずにCSSで次のように指定します。

<h4>基本情報</h4>
<h5>ユーザー名</h5>
h5 {
  font-size: 1rem;
  font-weight: bold;
}

このようにHTMLではあくまで「階層」を表現し、デザインはCSSで行うことで、コードの役割が分かりやすく保たれます。

クラス属性やid属性との組み合わせ

h5タグ自体にも、ほかの要素と同様にclass属性やid属性を付けることができます。これにより、特定のh5だけにスタイルを当てたり、ページ内リンクの飛び先にしたりできます。

<h5 id="profile-name-setting" class="setting-subtitle">
  表示名の設定
</h5>
  • id属性:ページ内で一意な識別子。href="#profile-name-setting"のようにリンクすることで、ページ内のその位置へジャンプできます。
  • class属性:複数の要素に共通の名前を付けるための属性。CSSで.setting-subtitleにスタイルをまとめて指定できます。

h5タグを大量に使う文書では、「h5の中でも、特定の種類の見出しだけ見た目を変える」といった場面も出てきます。そのときに、class属性でグループ化しておくと管理がしやすくなります。

コードの読みやすさを意識した改行とインデント

構文的には、h5タグを1行に詰め込んでも動作には問題ありませんが、人間が読んだときの見やすさを考えて、インデント(字下げ)や改行を整えることも大切です。特に、h2〜h5が複雑に入れ子になる文書では、インデントを揃えることで、どの見出しがどの階層に属しているのかが一目で分かるようになります。

<h2>ユーザー設定</h2>
  <h3>プロフィール設定</h3>
    <h4>基本情報</h4>
      <h5>表示名の設定</h5>
      <p>ここで入力した名前がプロフィール画面に表示されます。</p>
      <h5>プロフィール画像のアップロード</h5>
      <p>画像ファイルを選択して変更できます。</p>

このように、階層に応じて2〜4スペースずつインデントを増やしておくと、構造が視覚的にも理解しやすくなります。

h5タグを使う際に意識したい読みやすさと情報整理の工夫

h5タグは、見出しタグの中でもかなり深い階層で使われる要素です。そのため、使い方を間違えると、ページ全体が「細かすぎる区切り」で埋め尽くされてしまい、逆に読みにくくなってしまうことがあります。h5タグを上手に活かすためには、「どの程度の粒度で情報を区切るか」「読者がどのようにページを読み進めるか」を意識して設計することが大切です。ここでは、h5タグを使うときに意識したい読みやすさと情報整理のコツを、具体的な観点からお伝えします。

h5を使う前に「そこまで分ける必要があるか」を考える

まず最初に考えたいのは、「本当にh5まで階層を深くする必要があるかどうか」です。見出しレベルが増えれば増えるほど、構造は細かくなりますが、そのぶん読者の頭の中で情報を整理する負荷も増えます。特に、初心者向けの記事や説明ページでは、h3まで、長くてもh4までで十分に伝えられることが多いです。

h5を使う前に、次のような問いかけをしてみると判断しやすくなります。

  • h4までの区切りで、読者が迷わずに読めるか
  • h4の下位項目を、本文中の段落や箇条書きだけで表現できないか
  • h5として独立させることで、読者が情報を探しやすくなるか

これらに対して「はい」と言える場合に限って、h5を使うようにすると、構造が細かくなりすぎるのを防ぎやすくなります。

h5の並びに一貫性を持たせる

h5タグで複数の小項目を並べる場合、それぞれの見出しの「粒度」を揃えることが重要です。「粒度」とは、どれくらいの細かさ・抽象度で書かれているか、という意味です。

例えば、次のような並びは粒度が揃っていて読みやすいです。

<h5>表示名の設定</h5>
<h5>メールアドレスの変更</h5>
<h5>プロフィール画像のアップロード</h5>

すべて「プロフィール設定の中の1項目」として、同じレベルの内容が並んでいます。一方で、次のような並びは粒度がバラバラで、読者が混乱しやすくなります。

<h5>プロフィール設定</h5>
<h5>メールアドレスの変更方法の詳細な手順</h5>
<h5>通知に関する設定全般</h5>

1つ目は「大きな設定カテゴリ」、2つ目は「手順レベルの細かい話」、3つ目は「カテゴリ全体」と、レベル感がばらついています。h5を並べる場合は、「すべて同じ階層・同じ大きさの話題」であることを意識してテキストを書き分けると、見出しをざっと眺めたときにも理解しやすくなります。

h5の下には短めの説明+箇条書きが相性が良い

h5は細かい小項目を表すことが多いため、その下に長文の文章をだらだらと書いてしまうと、見出しの粒度とのバランスが悪くなることがあります。読みやすさを意識すると、h5のすぐ下には「短い説明文+箇条書き」という構成が相性が良いことが多いです。

<h5>表示名の設定</h5>
<p>ユーザーの公開プロフィールに表示される名前を設定します。</p>
<ul>
  <li>ニックネームでも本名でも設定可能</li>
  <li>いつでも変更できます</li>
  <li>他のユーザーにも表示されます</li>
</ul>

このように、「最初に1〜2文で要点を説明し、そのあと箇条書きで詳細や注意点を整理する」形にすると、読者は一目で内容を把握しやすくなります。情報の優先度も自然と伝わりやすくなり、細かい設定項目の説明には特に向いたパターンです。

h5のテキストは「パッと見で意味が分かる」短さに

読みやすさのためには、h5のテキスト自体も工夫する必要があります。長すぎる見出しは、ぱっと見て内容を把握するのが難しくなり、特に階層の深いh5では、スクロール中に「流し読み」したときに認識されにくくなります。

h5のテキストでは、次の点を意識するとよいです。

  • できるだけ1行〜2行以内に収まる長さを目指す
  • 「〜について」「〜の詳細」といったあいまいな部分はなるべく削る
  • 動詞を使って具体的な行動や対象が分かるようにする

例として、「プロフィール画像のアップロード方法について詳しく説明します」という文章は、h5としては長すぎるので、

  • プロフィール画像のアップロード

と簡潔にまとめ、その下の段落で「詳しく説明します」と書いた方が、見出しらしい役割を果たしやすくなります。

h5の直前の見出しとの関係を明確にする

h5タグを読む読者は、「この見出しは、ひとつ上のどの見出しの中に属しているのか」を無意識のうちに意識しています。そのため、h5の直前にあるh4やh3との関係性が分かりやすいように配置することが大切です。

良い例としては、

<h4>基本情報</h4>
<p>ここでは、プロフィールの基本となる項目を設定します。</p>
<h5>表示名の設定</h5>
<h5>プロフィール画像のアップロード</h5>

のように、「基本情報」というまとまりがあって、その中に複数のh5が並ぶ形です。逆に、h4やh3の説明がほとんどなく、突然h5が並び始めると、「これらの小見出しがどの枠の中の話なのか」が分かりにくくなります。

見た目の強弱で階層感を補助する

HTMLの役割は構造を定義することですが、実際の読みやすさにはデザインも大きく関わります。h5を使うときには、CSSで見た目にも「上位見出しとの強弱」が分かるようにしておくと、情報整理の効果が高まります。

具体的には、次のような工夫が考えられます。

  • h2・h3は大きめの文字+余白を広めにする
  • h4・h5は少し小さめの文字にして、上位見出しより目立ちすぎないようにする
  • h5は太字だけにする、あるいはラベル風のスタイルにする

こうした視覚的な工夫はCSS側の話ではありますが、「h5はあくまで細かい小項目である」というメッセージを、見た目のレベルでも補強してくれます。

サンプルコード全体で読みやすさを意識する

最後に、h5を含むセクション全体のサンプル構造を見てみます。

<h2>プロフィール設定</h2>
<p>ここでは、ユーザーの公開プロフィールに関する各種設定を行います。</p>

<h3>基本情報</h3>
<p>ユーザーの表示名や自己紹介文など、プロフィールの基本となる項目です。</p>

<h4>表示内容の設定</h4>
<p>プロフィール上に表示される情報を個別に設定できます。</p>

<h5>表示名の設定</h5>
<p>プロフィール上に表示される名前を入力します。ニックネームでもかまいません。</p>

<h5>自己紹介文の入力</h5>
<p>自己紹介欄に表示するテキストを入力します。改行を使って読みやすく整えましょう。</p>

このように、h2〜h5までが段階的に並び、各レベルに対応した説明文が添えられていると、ページ全体の構造と内容の関係が直感的に理解しやすくなります。

初心者がやりがちなh5タグの誤用と正しい修正例

h5タグは階層の深い見出しであるぶん、「なんとなく小さそうだから」「とりあえず目立たせたいから」といった理由で選ばれてしまいやすいタグです。その結果、ページ全体の構造が分かりにくくなったり、検索エンジンやスクリーンリーダーが正しく文書構造を理解できなくなったりします。ここでは、初心者の方が特にやりがちなh5タグの誤用パターンと、その修正例を具体的にご紹介します。

誤用1:見た目だけ小さくしたくてh5にする

もっとも多い誤用が「文字を小さく見せたいからh5を使う」というものです。見出しレベルを「デザイン」で決めてしまうと、構造が破綻します。

<!-- よくある誤用例 -->
<h2>サービス紹介</h2>
<p>サービスの概要です。</p>

<h5>注意事項</h5>
<p>ここに注意書きが入ります。</p>

ここでの「注意事項」は、サービス紹介の中ではそれなりに重要な情報であり、本来はh3やh4レベルとして扱うべき内容かもしれません。「小さく見せたいから」という理由でh5を選ぶのは適切ではありません。

修正例

<h2>サービス紹介</h2>
<p>サービスの概要です。</p>

<h3>注意事項</h3>
<p>ここに注意書きが入ります。</p>

見た目を小さくしたい場合は、CSSでh3に対して文字サイズを調整します。HTML側では、あくまで「構造」と「重要度」でレベルを決めます。

誤用2:h2の直後にいきなりh5を置く

構文としてはエラーになりませんが、よく見かけるのが「h2のすぐ下にh5が来る」パターンです。階層が飛んでしまうため、文書のアウトラインが不自然になります。

<!-- 不自然な階層飛ばし -->
<h2>ユーザー設定</h2>
<h5>メールアドレスの変更</h5>

この場合、「ユーザー設定」という大項目の下にある1つの機能説明なので、一般的にはh3かh4を使うのが自然です。h3で分けた上で、その中をさらに細かく分けたいときにh4・h5を使うようにします。

修正例

<h2>ユーザー設定</h2>
<h3>メールアドレスの変更</h3>
<p>メールアドレスを変更する手順を説明します。</p>

さらに、「メールアドレスの変更」の中で細かい項目ごとに説明したいときに、h4・h5を検討します。

誤用3:本文まで全部h5にしてしまう

見出しタグの役割を正しく理解できていないと、本文にあたるテキストまでh5で囲んでしまうことがあります。

<!-- すべて見出しにしてしまう誤用 -->
<h5>プロフィール設定とは</h5>
<h5>プロフィール設定では、ユーザー名や画像を変更できます。</h5>

2行目は本来「本文」であり、見出しではありません。見出しが連続すると、どこからどこまでが説明文なのかがわかりづらくなります。

修正例

<h5>プロフィール設定とは</h5>
<p>プロフィール設定では、ユーザー名や画像を変更できます。</p>

見出しはそのセクションのタイトルだけに使い、その内容はpタグなどで記述します。

誤用4:同じ階層の内容をh4とh5に混在させる

「なんとなく見た目のバランスで」同じ階層の話題にh4とh5を混在させてしまうこともよくあります。

<!-- 同じ階層で混在している例 -->
<h4>プロフィール画像の設定</h4>
<h5>背景画像の設定</h5>
<h4>自己紹介文の編集</h4>

この並びだと、「背景画像の設定」が「プロフィール画像の設定」の下位項目のようにも見えますし、「自己紹介文の編集」と同列かどうかが曖昧になります。

修正例

同じレベルの内容なら、すべて同じ見出しレベルに揃えます。

<h4>プロフィール画像の設定</h4>
<h4>背景画像の設定</h4>
<h4>自己紹介文の編集</h4>

逆に、本当に「プロフィール画像の中の細かい1項目」として背景画像を扱いたいなら、次のように階層をはっきりさせます。

<h4>プロフィール画像の設定</h4>
<h5>背景画像の設定</h5>

誤用5:h5を「装飾タグ」のように乱用する

「本文の中の一部だけを目立たせたい」という理由で、インライン要素の代わりにh5を使ってしまうこともあります。

<!-- インラインの強調にh5を使ってしまう例 -->
<p>アカウント設定画面の
  <h5>セキュリティ設定</h5>
  は特に重要です。
</p>

これは構文的にも正しくなく、pタグの中にh5を直接入れるのは避けるべきです。「文中の一部を強調する」目的なら、strongspanなどのインライン要素を使います。

修正例

<p>アカウント設定画面の<strong>セキュリティ設定</strong>は特に重要です。</p>

見出しタグは「文章の区切り」を作るものであって、文中の一部にスタイルを当てたいときに使うものではありません。

誤用6:h5が連続しすぎて、どこが何の下位か分からない

h5を大量に並べてしまい、どの上位見出しに対応しているのかが分かりにくいケースもあります。

<h3>詳細設定</h3>
<h5>表示名の設定</h5>
<h5>プロフィール画像のアップロード</h5>
<h5>自己紹介文の入力</h5>
<h5>通知設定</h5>
<h5>メール受信設定</h5>

ここでは、「詳細設定」という1つのh3の下に、h5がずらっと並んでいます。本来は、内容によってグループ分けをして、h4でまとめたうえでh5を使う方が分かりやすいです。

修正例

<h3>詳細設定</h3>

<h4>プロフィールに関する設定</h4>
<h5>表示名の設定</h5>
<h5>プロフィール画像のアップロード</h5>
<h5>自己紹介文の入力</h5>

<h4>通知に関する設定</h4>
<h5>通知設定</h5>
<h5>メール受信設定</h5>

このようにグループを作ることで、「どのh5がどのカテゴリに属しているか」が明確になります。

SEO・アクセシビリティの観点から見たh5タグの扱い方

h5タグは、見出しタグの中でも深い階層に属する要素ですが、SEO(検索エンジン最適化)やアクセシビリティ(誰もが利用しやすい状態)という観点から見ると、決して「おまけ」の存在ではありません。特に、情報量の多いページやマニュアル、ヘルプページなどでは、h5をどのように使うかが、検索エンジンにもユーザーにも「構造が伝わるかどうか」に影響してきます。ここでは、SEOとアクセシビリティの両面から、h5タグをどのように扱うとよいかを整理していきます。

SEOの観点から見たh5タグの役割

SEOとは、検索エンジンがページの内容を理解しやすくし、検索結果で適切に評価されるようにするための工夫のことです。検索エンジンはHTMLの構造を読み取り、見出しタグを「このページのトピックや各セクションのテーマを示す手がかり」として活用します。一般的には、h1やh2の重要度が高いとされますが、h3〜h5などの下位見出しも、ページの内容を理解するための情報として参照されます。

h5タグにキーワードを過剰に詰め込む必要はありませんが、「そのセクションが何について書かれているのか」が分かるテキストを入れることは有効です。特に、あるテーマについてかなり細かく解説しているページでは、h5が「詳細なサブトピック」を表し、その積み重ねがページ全体の専門性や網羅性を示す材料になりえます。例えば、「HTML 見出しタグ h5 使い方」といったテーマであれば、h5に「h5タグを使ったマニュアル内の小見出し」「プロフィール設定ページでのh5の例」のように、具体的な内容が分かる見出しを付けることで、検索エンジンにも人間にも理解しやすい構造になります。

ただし、SEOのためだけに不自然な見出しを増やすのは逆効果です。見出しの数が多すぎたり、長すぎたりすると、ユーザーが読みにくくなり、結果的に離脱率(ページからすぐに離れてしまう割合)が高くなるおそれがあります。h5タグはあくまで「必要だから使う」レベルの見出しであり、SEO目的で無理に増やすべきものではないという点を意識することが大切です。

ページ全体のアウトラインとh5の関係

検索エンジンはページのアウトライン(構造)を読み取るとき、h1〜h6の階層を利用して「このページにはどんな大きな話題があり、それぞれがどの小さな話題に分かれているか」を把握しようとします。h5が自然な位置に配置されていれば、

  • h2:大きなテーマ
  • h3:その中の中テーマ
  • h4:さらに細かい小テーマ
  • h5:小テーマの中の細目

という構造で理解されます。逆に、h2の直下にh5を置いたり、同じ階層でh4とh5が混在していたりすると、アウトラインがあいまいになります。検索エンジン側から見ても、「この見出しはどの話題の下位概念なのか」が分かりにくくなり、ページ内容の理解に余計なコストがかかる状態になります。

そのため、SEOの観点からも、h5を使う際には「上位のh2〜h4が正しく設計されているか」「数字を飛ばしていないか」を確認することが重要です。構造が整っているページは、検索エンジンにとっても解析しやすく、結果として評価されやすい土台になります。

アクセシビリティにおけるh5の役割

アクセシビリティの面では、h5タグはスクリーンリーダー(画面読み上げソフト)利用者にとって、ページ内を移動するための「ナビゲーションポイント」として機能します。スクリーンリーダーには、見出しレベルごとにジャンプして移動する機能があり、ユーザーは「次の見出し」「前の見出し」「特定レベルの見出しだけ」といった操作を行いながら、自分に必要な情報へアクセスします。

h5を適切に使っているページでは、利用者が次のような使い方ができます。

  • h2レベルで大きなテーマをさっと確認する
  • h3・h4レベルで興味のあるセクションを絞り込む
  • h5レベルで、細かい設定項目や注意事項をピンポイントにチェックする

例えば、「プロフィール設定」というh2、「基本情報」というh3、「表示内容の設定」というh4の下に、「表示名の設定」「プロフィール画像のアップロード」といったh5が並んでいれば、スクリーンリーダー利用者はh5見出しだけを順に読み上げさせて、どの項目について読むかを素早く決めることができます。これは、視覚的に画面を一覧できないユーザーにとって、大きな助けになります。

逆に、h5をデザイン目的で乱用したり、本文まで見出しにしてしまったりすると、「見出し一覧」を見たときに、本当に重要な区切りと単なる装飾的な見出しが混ざってしまい、かえって分かりにくくなります。アクセシビリティの観点からは、「見出し=セクションのタイトル」であることを徹底し、本文は段落やリストで書く、という基本ルールを守ることが大切です。

h5に書くテキストとアクセシビリティ

h5に書くテキストそのものも、アクセシビリティに影響します。スクリーンリーダーは見出しテキストを読み上げるため、「こちら」「設定」「詳細」などのあいまいな見出しだと、その下に何の内容があるのかが分かりません。

アクセシビリティを意識したh5テキストでは、次のような点を心がけます。

  • 下の本文を聞かなくても、見出しだけで内容の概要が分かる
  • 「何についての設定か」「何の注意点か」が具体的に書かれている
  • 同じ階層のh5どうしで、表現の粒度がそろっている

たとえば、

  • 悪い例:<h5>詳細</h5>
  • 良い例:<h5>メール通知の詳細設定</h5>

のように、「何の詳細なのか」を明確に記述することで、ユーザーは見出し一覧を聞いただけで「ここを聞けばよさそうだ」と判断しやすくなります。

SEOとアクセシビリティの両方を満たすh5の使い方

SEOとアクセシビリティは、ときどき別々に語られますが、h5タグに関しては、どちらも同じ方向を向いています。どちらの観点からも重要なのは次のようなポイントです。

  • h2〜h4までを含めた文書構造が論理的に設計されていること
  • h5が、本当に必要な場面でのみ使われていること
  • 見出しレベルを飛ばさず、アウトラインが自然であること
  • h5のテキストが具体的で、内容が想像しやすいこと
  • 見た目ではなく「意味」と「階層」でタグを選び、スタイルはCSSで調整すること

このような方針でh5タグを扱うと、検索エンジンにとってもユーザーにとっても理解しやすいHTMLになります。結果的に、ページの評価や利便性の向上につながりやすくなります。

まとめ

この記事では、HTMLにおけるh5タグをテーマに、その基本的な意味から、実際の使いどころ、構文、注意点、そしてSEOやアクセシビリティとの関わりまで、段階的に整理しながらご説明してきました。h5タグは、見出しタグの中でもややマイナーな存在に見えるかもしれませんが、「階層構造の深い文書を、破綻させずに整理する」という重要な役割を持っています。単に「小さい見出し」ではなく、「上位のh2〜h4で作られた構造を、必要に応じてさらに細かく分けるための見出し」として位置づけることで、その本質が見えやすくなります。

まず、h5タグの基本的な意味として、h1〜h6の中で5番目のレベルに属する見出しであり、文章の中でもかなり細かい話題やサブトピックを表すために使われることを確認しました。h1がページ全体のタイトル、h2が大きな章、h3がその中の節、h4が項目レベルの見出しであるならば、h5はそのさらに内側にある「細目」のような位置づけになります。そのため、一般的な短めのページでは登場しないことも多く、主にマニュアルや仕様書、ヘルプページ、技術解説など、情報量が多く階層も深い文書で活用されます。

次に、「h5タグが使われる場面」として、ユーザー設定画面やプロフィール設定、FAQページなどの例を通じて、具体的な利用イメージをご紹介しました。大きなカテゴリをh2やh3で分け、その中でさらに内容を整理するためにh4・h5を用いることで、「どの情報がどのグループに属しているのか」が明確になります。また、h5の下には短めの説明文や箇条書きを組み合わせることで、細かい項目の内容も読みやすく整理できることを確認しました。

h1〜h6全体の中で見たときのh5の位置づけについても触れました。h1〜h3は多くのページでよく使われるレベルであり、h4〜h6はより細かい情報が必要なときに登場する「下位見出し」であることを改めて整理しました。特にh5は、「h4で分けた項目をさらに分解したいとき」に使うレベルであり、いきなりh2のすぐ下に置くような使い方は避けるべきであることを説明しました。見出しレベルを数字の順に一段ずつ下げていくこと、同じ階層に並ぶ見出しは同じレベルのタグを使うことが、論理的なアウトラインを保つうえで欠かせないという点も強調しました。

構文と書き方のポイントとしては、基本的なタグの書き方に加え、「見出しの直下には必ず本文要素を書く」「本文そのものをh5で囲まない」「見出しに入れるテキストは、その下の内容をひとことで表すラベルとして書く」といった実務的なルールを整理しました。また、見た目の大きさや太さを変えたい場合は、HTML側でレベルを変えるのではなく、CSSでスタイルを調整するべきであることも繰り返しお伝えしました。これにより、HTMLは構造と意味を、CSSは見た目を担当するという役割分担が明確になります。

読みやすさと情報整理の観点からは、「本当にh5まで分ける必要があるのかを事前に考える」「h5同士の粒度(細かさ)を揃える」「長すぎず短すぎない見出しテキストを意識する」などのコツを解説しました。特に、階層を深くしすぎると、読者が今どの話題を読んでいるのか分かりにくくなるため、アウトラインを紙に書き出してから、「どこまでをh2〜h3で表現し、どこからh4〜h5に分けるか」を検討する姿勢が大切であることをお伝えしました。

初心者の方がやりがちな誤用としては、「小さく見せたいからという理由でh5を使う」「h2のすぐ下にh5を置いてしまう」「本文までh5で書いてしまう」「同じ階層の内容をh4とh5に混在させてしまう」といったパターンを具体例とともに取り上げ、その修正例を示しました。これらの誤用はいずれも、「見出しは構造を示すもの」という原則を忘れ、「見た目」や「なんとなくの感覚」でタグを選んでしまうことが原因です。修正例を通じて、「まず構造を考え、それに合わせて見出しレベルを選ぶ」という流れを体感していただけたかと思います。

最後に、SEOとアクセシビリティの観点から見たh5タグの扱い方についても整理しました。SEOの面では、h5を含む見出しタグ全体がページのトピックや構造を伝える手がかりとなり、特に情報量の多いページでは、細かいサブトピックを表すh5がページの専門性や網羅性を補強する要素になりうることを説明しました。一方、アクセシビリティの面では、スクリーンリーダー利用者が見出しレベルごとにページ内を移動する際、適切に使われたh5が「細かい設定項目や注意事項への入口」として機能すること、そのためにも具体的でわかりやすい見出しテキストを書くことが重要であるとお伝えしました。

このように、h5タグは使用頻度こそ高くないものの、文書構造が深くなる場面では欠かせない役割を持つ見出しタグです。ページを作るときには、まずh1〜h3でしっかり骨組みを作り、そのうえで必要に応じてh4・h5を使っていく、という順序を意識していただくと、自然と扱い方にも慣れていきます。少しずつ実際のコードの中で試しながら、「構造」「読みやすさ」「利用しやすさ」のバランスが取れた見出し設計を身につけていっていただければと思います。

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