読みやすいWebページを作るh2タグのデザインと配置のポイント

HTMLにおけるh2タグは、「見出しレベル2」を表すタグです。見出しとは、文章を章立てしたときの「章タイトル」「節タイトル」のような役割を持つテキストのことで、HTMLでは<h1><h6>まで6段階の見出しタグが用意されています。その中でh2タグは、ページ全体の中で重要度が高い見出しの1つであり、主に「大きな項目のタイトル」を示すために使われます。例えば、1つの記事の中で複数のテーマを説明するとき、それぞれのテーマの入口となる部分にh2タグを使うことで、文章の構造が分かりやすくなります。

HTMLにおけるh2タグの基本的な役割とは

HTML文書は、単に文字を並べるだけでなく、「この部分が一番大事」「ここはその中の小さな話題」といった階層構造を持たせることが重要です。この「文書の論理的な構造」を明示する考え方をセマンティクス(意味づけ)と呼びます。h2タグはまさに、このセマンティクスを表現するための要素であり、「ここから先は、ページ全体の中で1つの大きなトピックが始まります」という印を付ける役割を持っています。

具体的なイメージとしては、次のような構造が分かりやすいです。

<h1>HTML見出しタグの入門</h1>

<h2>h2タグとは何か</h2>
<p>このセクションでは、h2タグの基本的な役割について説明します。</p>

<h2>見出しタグの使い分け</h2>
<p>ここでは、h1〜h6タグの違いについて解説します。</p>

この例では、ページ全体のタイトルにh1タグを使い、その下に2つの大きなセクションとしてh2タグを配置しています。h2タグは、ページの中で「大見出し」として機能し、その配下にさらに細かい説明を追加していく形になります。

h2タグの基本的な役割として、主に次のようなポイントが挙げられます。

  • ページ内の構造を分かりやすく区切る
  • 読者が内容をざっと見渡したときに、どこに何が書いてあるか把握しやすくする
  • 検索エンジンに対して、「このページにはこうしたトピックが含まれています」と伝える
  • スクリーンリーダー(画面読み上げソフト)など支援技術に、文書の見出し構造を伝える

特に、画面上で文章を読むユーザーは、最初から最後まで丁寧に読むとは限りません。多くの場合、まずは見出しをざっと眺めて、「自分に関係がありそうな部分」から読み始めます。そのときに、h2タグで大きな区切りが適切につけられていると、「この見出しでは何について説明しているのか」が直感的に分かり、読み進めやすくなります。

また、スタイルシート(CSS)を使うことで、h2タグに対してフォントサイズや余白、色などの装飾をまとめて適用できます。例えば、すべてのh2見出しを少し大きく太字にする、上下に余白を入れるといった調整が簡単に行えます。これは「意味が同じものには同じタグを使う」というルールを守ることで、見た目の一貫性を保ちやすくなる良い例です。逆に、見た目だけを変えたいからといって、意味の異なるタグを使ってしまうと、構造が崩れてしまい、後からデザインを変えにくくなります。

h2タグは1ページの中で複数回使うことができます。複数の大きな話題がある記事では、それぞれの話題の入口にh2タグを使うことで、「第1章」「第2章」のような感覚で内容を整理できます。ただし、h2タグを使う前提として、その上位にh1タグでページ全体のタイトルがあることが望ましいです。文書構造の中で「h1のすぐ下のレベルがh2」という位置づけになるためです。

このように、HTMLにおけるh2タグは、単なる「文字を大きくするためのタグ」ではなく、「文書の中で大きなトピックを示すための見出し」として重要な役割を果たしています。ページを作成するときには、「このページの中で、どんな大きな話題があるか」「それぞれをどのような順番で説明するか」を意識してh2タグを配置することで、読み手にも機械にも優しい構造を作ることができます。

h1タグとの違いから理解する見出し構造の重要性

HTMLの見出しタグは<h1>から<h6>まで6段階ありますが、その中でも特に重要なのがh1タグとh2タグです。h1タグはページ全体のタイトル、いわば「そのページが扱っているテーマそのもの」を表す見出しとして使われます。一方でh2タグは、h1で示した大きなテーマの中をいくつかの大きな項目に分けるための見出しです。紙の本でたとえると、h1が本のタイトル、h2が各章のタイトルのようなイメージを持っていただくと分かりやすいです。

HTMLの文書構造は階層的に考えることが重要です。階層的というのは、「大きなグループの中に、さらに小さなグループが入っている」という入れ子状態のことです。h1はその階層構造の最上位に位置し、h2はそのひとつ下の階層に位置します。例えば、次のような構造を考えてみます。

<h1>HTML見出しタグの基礎</h1>

<h2>見出しタグとは何か</h2>
<p>見出しタグの概要について説明します。</p>

<h2>h1タグとh2タグの違い</h2>
<p>それぞれの役割や使い分け方を解説します。</p>

この例では、ページ全体のテーマ「HTML見出しタグの基礎」をh1で表し、その中に「見出しタグとは何か」「h1タグとh2タグの違い」という2つの大きなトピックをh2で表現しています。読者は見出しを眺めるだけで、「このページは見出しタグの基礎を説明していて、その中でまず概要を説明し、次にh1とh2の違いを扱っているのだな」と自然に理解できます。

ここで大切なのは、h1h2の違いを「文字の大きさの違い」とだけ捉えないことです。確かにブラウザの標準スタイルではh1のほうが大きく表示され、h2はそれより少し小さく表示されます。しかし、本質的な違いは「文書の中でどのレベルの見出しとして意味づけされているか」です。デザイン上の大きさはあくまでもCSSで自由に変更できるため、見た目を揃えたいからといってh1を乱用すると、文書構造が崩れてしまいます。

見出し構造を正しく設計することには、いくつか重要な意味があります。

  1. 読み手にとっての理解しやすさが向上すること
    ユーザーは長い文章を読むとき、まず見出しをざっと眺めて内容の全体像を把握し、自分に必要な部分を探します。h1h2が適切に使い分けられていると、「ページ全体のテーマ」「テーマを構成する大きな項目」が明確になり、どこから読み始めればよいかが分かりやすくなります。
  2. 検索エンジンにとって文書構造が理解しやすくなること
    検索エンジンはHTMLを解析し、どこがタイトルでどこが主要なトピックなのかを判断します。h1にはページ全体の主題、h2にはその主題を支える重要なサブトピックが記述されていると解釈されるため、内容を機械的に理解する手がかりになります。
  3. 支援技術(スクリーンリーダーなど)にとってのナビゲーション性が高まること
    視覚障がいのある方が使うスクリーンリーダーは、見出しのレベル構造を利用して文書内を移動します。h1h2が正しく使われていれば、「ページタイトルにジャンプ」「次のh2見出しへ移動」といった操作がしやすくなり、情報へアクセスしやすくなります。

実務では、h1はページ内で1つにとどめ、h2は複数使用してページを章立てする、というパターンがよく使われます。例えば、商品紹介ページであれば、

  • h1:商品全体の名前
  • h2:特徴、仕様、使い方、よくある質問

といったように、ユーザーが知りたいであろう大きなテーマごとにh2を配置します。ブログ記事であれば、

  • h1:記事タイトル
  • h2:導入、ポイント1、ポイント2、まとめ前の振り返り

など、ストーリーの流れに沿って章を区切る形になります。

逆に、h1をページ内のあちこちで繰り返し使ってしまうと、「ページタイトルがたくさんある」ような状態になり、文書の構造が曖昧になります。見た目の大きさだけを理由にh1を乱用せず、「ページで一番大きなテーマは何か」「その下にどんな大きな項目がぶら下がるか」という階層を意識してh1h2を選ぶことが大切です。

読みやすい文章を作るためのh2タグの使い方と配置の考え方

h2タグを上手に使うことは、「読みやすい文章」を作るうえでとても大切です。文章が読みづらく感じられる原因の多くは、単に文字量が多いからではなく、「どこからどこまでが1つの話なのかが分かりにくい」「自分が今どこを読んでいるのか迷いやすい」といった構造面の問題によることが多いです。h2タグは、そうした問題を解決するために、文章を適切な単位で区切り、読者にとって分かりやすい道しるべを提示する役割を担います。

まず意識したいのは、「1つのh2見出しにつき、1つの話題(トピック)に絞る」という考え方です。1つのh2の配下に、あまりに多くの内容を詰め込みすぎると、読者は「結局、このセクションでは何を言いたかったのか」がぼやけてしまいます。たとえば、HTMLの学習記事であれば、次のように分けると分かりやすくなります。

  • h2:h2タグとは何か
  • h2:h2タグを使ったページ構造の例
  • h2:h2タグを使うときの注意点

このように、「用語の説明」「具体例」「注意点」といった単位で見出しを分けることで、読者は自分が知りたい情報に素早くたどり着きやすくなります。

次に大切なのは、文章の「リズム」を意識した配置です。長文の中に見出しがまったくない状態だと、画面いっぱいに文字が並び、読む前から疲れてしまいます。一方で、数行ごとに細かくh2を入れてしまうと、今度はページ全体の構造が細切れになり、「大きな流れ」がつかみにくくなります。目安としては、1つのh2見出しの下に、複数の段落や箇条書きがまとまるぐらいの分量(数百文字程度)をイメージすると、読みやすいバランスになりやすいです。

また、h2のテキストの書き方も重要です。読者は見出しをざっと眺めながら、「このセクションには何が書いてあるのか」「自分に必要な情報か」を判断します。そのため、h2にはできるだけ具体的で内容がイメージしやすい言葉を使うことが望ましいです。

良い例としては、次のようなものがあります。

  • 悪い例:「h2の使い方」
  • 良い例:「読みやすくするためのh2タグの配置ルール」

後者のほうが、「配置の考え方について書かれていそうだ」と内容を想像しやすくなります。抽象的な1〜2語だけで終わらせるのではなく、「何について」「どのような視点で」書かれているのかが伝わるタイトルを心がけると、読者の理解がぐっとスムーズになります。

さらに、h2タグはページ全体のストーリーを組み立てるうえでも重要です。記事の構成を考えるとき、いきなり本文を書き始めるのではなく、まずh2となる見出し候補を並べて「どの順番で説明すると自然か」「前提知識はどこで説明するか」を整理すると、論理の流れが作りやすくなります。これは、文章の目次を先に作ってから中身を埋めていくイメージに近いです。たとえば、

  1. h2:h2タグの基本的な役割
  2. h2:h1との違いと階層構造
  3. h2:読みやすさを高める配置のコツ

といった順番で並べておけば、「まず概要を説明し、そのあとに違いを整理し、最後に具体的な使い方を深掘りする」という自然な流れが生まれます。

デザイン面では、CSSでh2に十分な余白(マージン)を設定することも、読みやすさに直結します。見出しの前後に空白があると、「ここから新しい話題が始まる」ということが視覚的にも伝わりやすくなります。また、フォントサイズや太さ、色などを他のテキストと区別すると、ページ全体の中でh2が目に入りやすくなります。ただし、ここでも「意味が同じなら同じタグを使う」というルールを守り、見た目の違いをCSSで調整することが重要です。

最後に、h2タグの使い方を考えるときには、「読み手がスクロールしながらページを眺めている様子」をイメージすると良いです。スマートフォンのような小さな画面では、1画面に表示できる情報量が限られているため、見出しの存在がより重要になります。適切な間隔でh2を配置し、どこを開いても「今はこのテーマについて読んでいる」と分かる状態を作ることが、読みやすさの向上につながります。

SEOとh2タグの関係:検索エンジンが見出しをどう評価するのか

h2タグは、文書構造を分かりやすくするための見出しタグですが、同時にSEO(検索エンジン最適化)の観点でも重要な役割を持っています。SEOとは、検索エンジンにページ内容を正しく理解してもらい、ユーザーが検索したときにそのページが適切な位置に表示されるように工夫する取り組みのことです。検索エンジンは、人間のように「何となく雰囲気で読む」ことはできないため、HTMLの構造や見出しタグから「どんなトピックがどのように説明されているか」を機械的に判断します。h2タグは、その判断材料の1つとして利用されます。

検索エンジンは、ページを読み込む際に、まずtitle要素やh1タグからページ全体のテーマを把握し、その下に続くh2見出しを通して「どのようなサブテーマが含まれているか」を理解していきます。たとえば、「HTML h2タグ 使い方」といったキーワードで検索したユーザーにとって、そのページの中に「h2タグの基本的な役割」「読みやすさのための配置」「SEOとの関係」といったh2見出しがあれば、検索エンジンは「このページはh2タグに関する情報を体系的に提供している」と判断しやすくなります。

ここで意識したいのが、「h2見出しに含める言葉」です。検索キーワードを無理のない範囲で盛り込むことで、検索エンジンは「この見出し部分は、このキーワードに関連する内容だ」と理解しやすくなります。例えば、単に「見出しの使い方」というh2よりも、「h2タグを使った見出しの書き方と注意点」といったh2のほうが、「h2タグ」「見出し」「書き方」「注意点」といった具体的な情報が伝わります。ここでのポイントは、「キーワードを詰め込む」のではなく、「読者にも検索エンジンにも内容が伝わる自然な日本語にする」ことです。

SEOの観点から見ると、h2タグには次のようなメリットがあります。

  • ページのトピック構造を明確にできる
  • 関連キーワードを見出しに含めることで、検索エンジンにとって内容が理解しやすくなる
  • ユーザーがスクロールしながら欲しい情報を見つけやすくなるため、直帰率(すぐに離脱してしまう割合)の低下につながる可能性がある

直帰率とは、ユーザーがそのページだけを見てサイトから離れてしまう割合のことです。これは検索エンジンがページの「満足度」を判断する間接的な指標の1つとみなされることがあります。見出しが分かりやすく整理されていると、ユーザーは必要な情報を見つけやすくなり、ページ内を読み進めたり、他のページも見てみたりする行動につながりやすくなります。

一方で、SEOのためにh2タグを過剰に意識しすぎると、かえって逆効果になる場合があります。たとえば、キーワードを不自然に連発したり、意味のない見出しを量産したりすると、ユーザーにとって読みにくくなり、検索エンジンからも質の低いコンテンツと判断されるおそれがあります。

良くない例としては、次のようなものが挙げられます。

<h2>h2タグ SEO 効果 h2タグ SEO 対策</h2>

このような見出しは、人間が読んでも意味が分かりにくく、文章として不自然です。代わりに、次のような形のほうが適切です。

<h2>SEOにおけるh2タグの役割と効果的な使い方</h2>

この書き方であれば、「SEO」「h2タグ」「役割」「使い方」といった重要な単語を含みつつ、日本語として自然で読みやすい見出しになります。

また、1つのページにおいてh2見出しのレベルを飛ばさないことも大切です。例えば、h1の次にいきなりh3を使うよりも、h1h2h3という階層で見出しを並べたほうが、検索エンジンにとっても論理構造が理解しやすくなります。検索エンジンは、見出しレベルの順序から「どの見出しがどの見出しの下位に属するか」を推測するため、階層が飛びすぎていると文書構造が曖昧になりやすいです。

さらに、h2タグは「目次」との相性も良いです。JavaScriptやテンプレートエンジンなどを用いて、自動的に目次を生成するような仕組みでは、多くの場合h2やh3を拾って目次を作ります。見出しが論理的に整っていれば、ユーザーがページの最初に目次を見ただけで、「このページにはどんな情報があり、どの順番で説明されているのか」を把握できます。結果的に、ユーザーの満足度が上がり、ページの滞在時間や回遊性の向上につながる可能性があります。これも間接的にはSEOに良い影響を与える要素になります。

h2タグは、SEOのための「魔法のタグ」ではありませんが、「ページの構造をきちんと整理する」「見出しに適切なキーワードを含める」「読者が理解しやすい日本語で書く」といった基本を守ることで、検索エンジンとユーザーの両方にとって価値の高いコンテンツ作りに貢献する要素になります。

長文コンテンツで効果的にh2タグを活用するテクニック

長文コンテンツでは、h2タグの使い方次第で「読むのがつらい壁のような文章」にも「スラスラ眺められる分かりやすい記事」にもなります。ここでは、実際に記事を構成するときに意識したい考え方やテクニックを、具体的なイメージを持てる形で整理してご説明します。

長文で特に重要になるのは、「情報をどの単位で分割するか」という視点です。h2タグは、1つの記事の中で「大きな話題」をまとめるための見出しですので、章立てのような感覚で使うと効果的です。たとえば、HTMLの入門記事であれば、次のように区切ることができます。

  • h2:HTMLとは何か
  • h2:基本的なタグの種類
  • h2:見出しタグ(h1〜h6)の使い方
  • h2:実際のサンプルコードで学ぶ

このように、「1つのh2見出し=1つの大きな質問への答え」と考えると構成を組み立てやすくなります。ユーザーが検索してきたとき、「このページを読めば、この疑問が解決しそうだ」と思える単位でh2を設計するのがポイントです。

次に意識したいのが、h2の「順番」と「流れ」です。長文コンテンツでは、いきなり応用的な話題から始めると読者が迷ってしまいます。基本的には、

  1. 概要・全体像
  2. 基本的な概念・前提知識
  3. 具体的な手順や使い方
  4. 応用例やテクニック
  5. 注意点やよくある失敗

といった順番でh2を並べると、自然な読み進め方になりやすいです。これは、授業の流れや教科書の構成に近い考え方で、「段階的に理解を深めてもらう」ためのパターンです。

h2タグの文言も、長文コンテンツでは特に重要です。読者は、ページをスクロールしながら、まずh2だけをざっと眺めて「読む価値がありそうか」「自分の知りたいことがありそうか」を判断します。そのため、h2にはできるだけ具体的な表現を使います。たとえば、

  • 抽象的な例:「テクニック紹介」
  • 具体的な例:「長文を読みやすくするためのh2見出しの付け方」

のように、内容がイメージできる言葉を選ぶと、ユーザーはそのセクションを読むべきかどうかを判断しやすくなります。「誰の」「何の」「どのような」について書いているのかが、見出しだけである程度伝わるように意識すると良いです。

また、長文では「情報のまとまり」を視覚的にも作ることが大切です。h2タグの前後には、CSSで十分な余白(マージン)をとり、見出しがページ上でしっかりと目立つようにします。これにより、スクロールしたときに「ここから新しいセクションが始まる」ということが直感的に分かります。単に文字を大きくするだけではなく、余白や行間も含めて「見出しとしての存在感」を演出することが、長文コンテンツでは効果的です。

長い記事では、h2の配下にさらに細かい話題を分けるためにh3タグを組み合わせる場面も多くなります。構造としては、

  • h1:記事全体のタイトル
  • h2:大きなテーマA
    • h3:テーマAに関する細かいポイント1
    • h3:テーマAに関する細かいポイント2
  • h2:大きなテーマB
    • h3:テーマBに関する細かいポイント1

といったように、「大きな箱」と「その中の小さな箱」を整理していくイメージです。このとき、h2の数が極端に多すぎたり少なすぎたりしないかを意識すると、全体のバランスが取りやすくなります。目安としては、1つの記事の中に3〜7個程度のh2があると、ほどよく内容が分割された印象になります(あくまで目安であり、内容によって前後します)。

さらに、長文コンテンツでは、h2タグをベースに「目次」を作成するのも有効です。ページの冒頭でh2の一覧を目次として表示しておくと、ユーザーは最初に全体像を把握し、自分が読みたい箇所へジャンプしやすくなります。目次の生成はJavaScriptなどで自動化することもできますが、その基盤となるのは「論理的に並んだh2見出し」です。適切に設計されたh2があれば、目次も自然と分かりやすいものになります。

最後に、長文だからこそ避けたいのが、「見出し倒れ」の状態です。見出しでは大げさに書いているのに、本文がそれに見合う内容になっていないケースです。h2に書いた内容は、「この見出しを読んだ人が期待する情報」をしっかりと本文で説明するように意識します。見出しを付けてから本文を書くのではなく、本文に書きたい内容を整理したうえで、「この段落の中心となる問いやテーマは何か」を言語化してh2にする、という流れで考えると、見出しと中身のズレを減らすことができます。

アクセシビリティの観点から見たh2タグの重要性

h2タグは、文書構造を視覚的に分かりやすくするだけでなく、アクセシビリティの観点からも非常に重要な役割を持っています。アクセシビリティとは、年齢や障がいの有無、利用環境にかかわらず、できるだけ多くの人が同じように情報へアクセスできるようにする考え方です。Webアクセシビリティでは、視覚・聴覚・肢体などさまざまな特性を持つユーザーに配慮し、支援技術(スクリーンリーダーなど)を利用したときにも情報が正しく伝わることが重視されます。h2タグは、その「情報の伝わりやすさ」を支える基礎の1つです。

視覚障がいのあるユーザーは、画面を目で見る代わりに「スクリーンリーダー」と呼ばれるソフトウェアを使って、ページの内容を音声や点字ディスプレイで読み取ります。スクリーンリーダーは、HTMLの見出しタグを手がかりにして文書構造を把握します。ユーザーは「次の見出しにジャンプ」「h2だけ一覧表示」といった操作を使い、長いページの中から必要な情報を探します。このとき、h2タグが正しく使われていれば、「ページ全体の中で大きな区切りがどこか」が瞬時に分かり、効率よく移動することができます。

もし、見た目だけを大きくしたいからといって、ただの<p>タグや<div>タグにCSSで大きな文字サイズを指定しているだけだと、スクリーンリーダーにはそれが見出しだと伝わりません。人間の目で見れば「ここが大きな見出しだ」と分かるデザインであっても、機械的には通常の段落と同じ扱いになり、ユーザーはその場所を見出しとして認識できなくなってしまいます。逆に、意味のある大きな区切りに対してh2タグを適切に使っておくと、「ここはh2レベルの重要な見出しです」と支援技術に知らせることができ、アクセシビリティの向上につながります。

アクセシビリティの観点では、「見た目の形ではなく、意味に合わせたタグ選び」が重要になります。h2タグは、あくまでも「第2レベルの見出し」としての意味を持つタグであり、「太字で大きい文字」を作るための装飾用タグではありません。意味に沿ってマークアップすることをセマンティックなマークアップといい、セマンティックス(意味づけ)に沿った構造は、支援技術だけでなく検索エンジンや自動翻訳ツールなどにもメリットがあります。

また、認知特性に配慮するという点でも、h2タグは役立ちます。たとえば、情報量の多いページを読むときに、長い文章がだらだらと続いていると、どこで話題が切り替わったのか分かりにくく、内容を理解するのに大きな負担がかかります。h2タグでトピックごとに明確に区切りをつけておくと、「今はこのテーマについて読んでいる」と把握しやすくなり、集中力を保ちやすくなります。これは、ディスレクシア(読み書きに困難がある状態)のある方や、情報処理に時間がかかる方にとって特に重要な配慮になります。

モバイル環境でも、h2タグはアクセシビリティに寄与します。スマートフォンの小さな画面では、一度に表示できる情報量が限られているため、ユーザーはスクロールしながら見出しを頼りにページをたどります。適切に配置されたh2は、視覚的なランドマーク(目印)として機能し、「このあたりから別の話題だな」といったことを瞬時に判断する手がかりになります。CSSでh2に余白やフォントサイズの調整を加えれば、視力が弱い方や一時的に小さな画面を使っているユーザーにとっても、情報が追いかけやすいレイアウトを実現できます。

さらに、アクセシビリティの観点からh2タグを考える際には、「見出しの階層を飛ばさない」という点も重要です。h1の直下に大きな区切りとしてh2を、その下に詳細な項目としてh3を使うことで、「大テーマ」「中テーマ」「小テーマ」という階層構造が明確になります。支援技術はこの階層を利用して、「h2の一覧」「このh2の中に含まれるh3」などを把握しますが、レベルを飛ばしてh1の次にいきなりh4を置いたり、見た目の調整だけのためにレベルを乱用したりすると、構造が分かりにくくなってしまいます。

アクセシビリティを意識したマークアップでは、「同じ役割を持つ見出しには同じレベルのタグを使う」という一貫性も大切です。あるセクションでは大テーマをh2で書いているのに、別のセクションでは似た役割の見出しにh3を使っていると、支援技術から見ると重要度が異なる見出しに見えてしまいます。設計段階で「このページでは、ページタイトルをh1、その配下の大きなトピックをh2、その詳細をh3とする」といったルールを決め、それに沿ってコードを書くことがユーザーへの配慮につながります。

このように、h2タグは単なるデザイン用の見出しではなく、アクセシビリティを支える意味情報の1つです。意味に基づいて正しく使うことで、視覚的にページを見られないユーザーや、情報処理に負荷がかかりやすいユーザーに対しても、構造のはっきりした分かりやすいコンテンツを提供することが可能になります。

初心者がやりがちなh2タグの誤用と正しい改善方法

h2タグはとてもシンプルなタグに見えますが、初心者の方ほど「なんとなく見た目を整えるため」に使ってしまいがちです。その結果、文書構造が崩れたり、後からデザインを調整しづらくなったり、検索エンジンやスクリーンリーダーに正しく内容が伝わらなかったりすることがあります。ここでは、よくある誤用パターンと、それをどのように改善すればよいかを具体的に整理していきます。

見た目だけを理由にh2タグを使ってしまう

特に多いのが、「文字を大きくしたいから」「太字にしたいから」という理由だけでh2タグを使ってしまうパターンです。

<!-- NG例:ただ文字を大きくしたいだけでh2を使用 -->
<p>自己紹介</p>
<h2>山田太郎</h2>
<p>趣味は〜〜です。</p>

ここでは「山田太郎」という名前を強調したいだけでh2を使っていますが、文書構造としては見出しではなく単なるテキストです。この場合、本来の意味に合っていません。正しくは、名前は段落やspan要素でマークアップし、見た目はCSSで調整するほうが適切です。

<p class="profile-name">山田太郎</p>
.profile-name {
  font-size: 1.5rem;
  font-weight: bold;
}

このように、「意味として見出しなのか」「単に強調したいだけなのか」を分けて考えることが、誤用を防ぐ第一歩になります。

ページ内の構造に合わない位置でh2を使う

もう1つよくあるのが、「とりあえず目立たせたい場所にh2を置く」結果、ページ全体の階層構造と合わなくなってしまうケースです。

<h1>HTML入門</h1>
<p>ここではHTMLの基礎を学びます。</p>

<h3>h2タグとは</h3> <!-- 本来はh2が適切 -->

<h2>まとめ</h2> <!-- 突然h2が出てきて階層が乱れる -->

この例では、h1の次にh3が使われており、その後でh2が出てきてしまっています。本来は、h1の下位レベルの見出しにはh2を使い、さらにその下の細かい項目にh3を使うのが自然です。改善例は次のようになります。

<h1>HTML入門</h1>
<p>ここではHTMLの基礎を学びます。</p>

<h2>h2タグとは</h2>
<p>h2タグは〜〜という役割を持ちます。</p>

<h2>まとめ</h2>
<p>ここではHTML入門のポイントを整理しました。</p>

このように、見出しレベルが「上から順に1段ずつ下がっていく」ようにそろえることで、文書構造が分かりやすくなります。

h2タグを多用しすぎて内容が細切れになる

逆のパターンとして、「少し話題が変わるたびにすぐh2を入れてしまう」ケースもあります。

<h1>h2タグの使い方</h1>

<h2>はじめに</h2>
<p>…</p>

<h2>h2タグとは</h2>
<p>…</p>

<h2>意味</h2>
<p>…</p>

<h2>例1</h2>
<p>…</p>

<h2>例2</h2>
<p>…</p>

h2が短い文章の連続になってしまうと、「どのセクションが本当に重要なのか」「何がまとまりなのか」が分かりにくくなります。本来はひとかたまりとして説明したほうが良い内容を、細かく切りすぎている状態です。改善策としては、「1つの大きな話題の中で、補足や具体例はh3や段落で表現する」方法が挙げられます。

<h1>h2タグの使い方</h1>

<h2>h2タグとは何か</h2>
<p>…概要の説明…</p>

<h3>h2タグの意味</h3>
<p>…意味についての詳細…</p>

<h3>h2タグのコード例</h3>
<p>…例1、例2の説明…</p>

このように、h2は「大きな話題の入口」として使い、その中の細かい要素はh3や段落で整理すると、読み手にとって理解しやすくなります。

h2タグのテキストが抽象的すぎる

初心者の方には、見出しのテキストを短くしすぎてしまう傾向もあります。

  • 抽象的な例:「使い方」「注意点」「まとめ」
  • 少し具体的な例:「h2タグの基本的な使い方」「h2タグを使うときの主な注意点」

前者のように1〜2語だけのh2見出しが並ぶと、読者はスクロールしているときに「このセクションには何が書かれているのか」をイメージしにくくなります。改善方法としては、「何について」「どのような視点で」説明しているのかが分かるよう、少し長めでも具体的な文にすることです。読む前から内容をある程度予測できる見出しのほうが、ユーザー体験は向上します。

実務で意識したい改善の考え方

実際にコーディングする際には、次のようなステップでh2タグの誤用を防ぎやすくなります。

  • まず紙やメモに「このページで扱う大きな話題」を箇条書きにする
  • その箇条書きが、そのままh2見出しの候補になるように考える
  • コードを書くとき、「この文はその大きな話題のどこに属するか」を意識して配置する
  • 見た目の調整はCSSに任せ、「意味」に合ったタグ選びを優先する

このような流れで作業すると、h2タグを「大きな話題を整理するための道具」として自然に使えるようになり、誤用も少なくなっていきます。

まとめ

この記事では、HTMLにおけるh2タグを中心に、見出し構造の考え方や実際の使い方、SEOやアクセシビリティとの関係、そして初心者がつまずきやすいポイントまでを一通り整理してきました。h2タグは、一見すると単に「文字が少し大きく太く表示されるためのタグ」のように見えますが、その本質的な役割は、ページ全体の情報を分かりやすい構造に整理し、ユーザーと機械の両方に「このページには何がどのような順番で書かれているのか」を伝えることにあります。

まず、h2タグはh1タグの直下に位置する見出しレベルであり、ページ全体のタイトル(h1)をいくつかの大きなトピックに分割するための「章タイトル」のような役割を持つことを押さえました。h1がページそのもののテーマを示すのに対して、h2はそのテーマを構成する主要な項目を表します。この「h1→h2→h3…」という階層構造を意識してマークアップすることが、読み手にとっても検索エンジンにとっても理解しやすいHTMLにつながります。

次に、読みやすい文章を作るうえでのh2タグの使い方として、「1つのh2につき1つの話題に絞る」「見出しだけを眺めても内容の流れがイメージできるように、具体的な言葉で書く」といったポイントを確認しました。長文コンテンツでは、h2をうまく配置して章立てを行うことで、ユーザーがスクロールしながら自分に必要な情報を探しやすくなります。また、CSSで適度な余白やフォントサイズを設定することで、視覚的にも「ここから新しいセクションが始まる」という区切りが分かりやすくなり、文章全体のリズムも整いやすくなります。

SEOの観点からは、h2タグが検索エンジンに対して「このページにはどのようなサブトピックが含まれているか」を伝える手がかりになることを解説しました。h2のテキストに、ユーザーが実際に検索しそうなキーワードを自然な形で含めることで、検索エンジンはその見出しの内容を理解しやすくなります。ただし、キーワードを詰め込みすぎて不自然な文章にしてしまうとユーザーの読みやすさが損なわれるため、「人が読んで意味が通じるかどうか」を基準に考えることが大切です。

アクセシビリティの面では、スクリーンリーダーなどの支援技術が見出しタグを頼りに文書構造を把握すること、h2があることで視覚的にページを見られないユーザーでも「大きな話題の区切り」を認識しやすくなることを確認しました。また、認知負荷を軽減し、多様なユーザーにとって情報を追いやすくするという意味でも、意味に基づいたh2の利用は重要です。見た目だけを大きくしたい場合はCSSで対応し、「意味として見出しである部分」にだけh2タグを使うという姿勢がアクセシビリティ向上につながります。

最後に、初心者がやりがちな誤用として、見た目目的だけでh2を使ってしまうこと、階層を飛ばして使うこと、短すぎて内容が伝わらない見出しを多用してしまうことなどを挙げ、その改善方法を整理しました。ページを作成する前に「このページで伝えたい大きな話題は何か」を箇条書きにして、それをh2候補として並べ、そこから本文を肉付けしていくという流れを意識すると、意味の通った見出し構造を作りやすくなります。

h2タグは、小さなタグですが、ページの読みやすさ、理解のしやすさ、検索エンジンや支援技術への伝わりやすさなど、多くの要素に影響を与えます。HTMLを書く際には、単なる装飾ではなく「文書の骨組みを作るための道具」としてh2タグを捉え、意味と構造を意識したマークアップを心がけていただくと、より質の高いWebページを作成できるようになります。

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