HTML5は、HyperText Markup Language(HTML)の第5版であり、ウェブコンテンツの標準的なマークアップ言語です。HTML5は、以前のHTML4の仕様を更新し、多くの新しい機能と標準を導入しました。これにより、マルチメディアコンテンツの取り扱いが容易になり、よりリッチでインタラクティブなウェブアプリケーションの開発が可能になりました。
HTML5の主な特徴
- 新しいセマンティック要素: 例えば
<article>
、<section>
、<nav>
、<header>
、<footer>
などの要素が追加され、ドキュメントの構造をより意味的に表現できるようになりました。 - フォームの強化: 新しい入力タイプ(
<input type="email">
、<input type="date">
など)や属性が追加され、フォームのバリデーションがブラウザで直接行えるようになりました。 - マルチメディアのサポート:
<audio>
タグと<video>
タグが導入され、プラグインを必要とせずにオーディオやビデオを直接ウェブページに組み込むことが可能になりました。 - グラフィックスのサポート:
canvas
要素を使用して2Dグラフィックスを描画できるようになり、WebGL
を介して3Dグラフィックスもサポートされています。 - ローカルストレージ:
localStorage
とsessionStorage
を利用することで、クッキーに代わる方法でデータをブラウザに保存できるようになりました。 - オフラインサポート: アプリケーションキャッシュを使ってウェブアプリケーションをオフラインで動作させることができます。
- クロスドキュメント通信:
postMessage
APIを使って、異なるオリジンを持つドキュメント間でデータを安全に送信できるようになりました。 - ドラッグアンドドロップ:
draggable
属性と関連するイベントを使用して、ドラッグアンドドロップインターフェースを容易に実装できます。
HTML5のドキュメントタイプ宣言
HTML5文書は、以下のシンプルなDOCTYPE宣言で始まります。
<!DOCTYPE html>
HTML5の影響
HTML5はウェブ開発の可能性を大きく広げ、ウェブアプリケーションがデスクトップアプリケーションと同等の機能とユーザーエクスペリエンスを提供できるようにしました。HTML5の導入により、ウェブはかつてないほどの力を持ち、スマートフォン、タブレット、その他のデバイスでもリッチなコンテンツを提供するプラットフォームとして確立されました。また、HTML5はウェブのアクセシビリティと国際化を向上させ、より多くの人々がウェブを使えるようにすることを目指しています。